ポケット屋敷の探し物36 古いビリヤード台

秀一はビリヤード台に近づいて、
「ああ、これは旦那様専用のビリヤード台で随分昔のもので球も象牙を使用しております。」
と説明した。
納得いかないのか和恵が
「へえ、なんかズルい気がする。他のは透明色なのに。しかも茶色帯の球だけ台の上にないんだ。」
とここだけ的球の色も位置も他と違うことを指摘した。
「バラけているのはおそらくプレイ中にご用事で出られたのでしょう。折角帰られたと言うのに呼びつけられてお気が休まる暇もございません。」
秀一は哀れむ顔で台を見ながら言った。
奈々は首を傾げて考え込んでいたが別の意味で納得してない和恵は
「白と黒が一つずつで後の色は帯みたいなのと全体なのと同じ色が二つずつ…。」
ぶつぶつ言いながら台の様子を観察していた。
「ねえ、折角コイン貰ったし少し遊んでみても良い?」
と逸美が秀一に尋ねた。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a