ポケット屋敷の探し物9 没収の対象

「ようこそ紫穂様。ご入館の前にお荷物をチェックさせて頂きます。」
と手を伸ばす秀一に紫穂はキラキラのゴージャスなバッグを不満げに押し付け、
「ふん、本当ならこのあたしのプライベートは高くつくのよ。って何なに!?なんでコンパクトまで取っちゃうのよ!」
スマホよりコンパクトに目が行くとは流石だ。
「はい、申し訳ございませんが当屋敷は黒いものの持ち込みは禁止しております。」
「だからって化粧品まで取ることないでしょ!もしも泊まりがけになったりしたらどーすんのよ!?」
秀一は没収しながらもオロオロしている。
「あーもう!このあたしの超レアなすっぴんを晒すの!?せめて中身だけは持ち歩かせてよ!」
と紫穂はコンパクトから強引に中の化粧品を取り出した。
幸い化粧品が入ったケースは銀色だった。
「ま、私もイヤホンが黒いコードだから預けることになったのよ。」
奈々は困り顔で言った。
「私なんて黒インクのペンも黒い文字が書かれた本まで没収されたわ。何ででしょうね?」
と苦笑して言う司。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a