ポケット屋敷の探し物17 ご主人様の拘り

「見て見て、ノブがポケット!ほら、あっちもこっちも!デザインは変わったかもだけどそこも懐かしいわよね!」
和恵が扉を指差して目を輝かせていた。
「確か、ここのご主人様はアパレル産業の社長と聞いたことがあるわね。」
ローラが思い出したように言った。
「はい、旦那様は非常に拘りが強く、どんな服にも必ず凝ったデザインのポケットを取り付けるよう指示しております。それが話題となり大きなブランドが出来上がりました。」
恐縮だと言うように秀一は胸の前に手を添えてお辞儀をした。
「さて、向かって左手には客間、右手にはお手洗いがございます。そして奥は廊下へと繋がっております。皆様お手洗いは大丈夫でしょうか?」
みんなは別にって笑いながら手や顔を横に振るけど紫穂は、
「何が口に入ったか分からないしこの夏に歩いて化粧崩れしてしまっているかも知れないから行ってくる!」
とトイレに向かった。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a