ポケット屋敷の探し物20 重要な部屋

客間を紹介した後、その更に奥の突き当たりにある扉の前で秀一は立ち止まり、
「こちらは機械制御室になっておりまして、ここで電気の設定や有線の音量を変えたり、外へ繋がる扉と窓のロックが出来ます。当屋敷の殆どの部屋が中からのみ鍵をかけることが可能でロックしない限り外からは自由に入れるのですがこちらの部屋は大変重要な部屋ですので特定の鍵でしか入室出来ません。では参りましょうか。」
秀一は説明だけして踵を返したその時、
「待って!」
とローラが止めた。
「本当にそうなのですか?見せて欲しいのですけど。」
と少し疑った目と強めの口調で頼んだ。
秀一は困った顔でこめかみを人差し指で軽く掻いていたが、やがて何かを思い出したかのように少し目を見開き、
「まあ…入っても良いですが中の機械にお手を触れないようお願い致します。」
「ったく子供じゃあるまいし知らない物に勝手にベタベタ触る奴なんかいるの?」
逸美が呆れたように言った。
「そうよそうよ、特にあたしなんて上品な人には要らない心配よ。」
すまして言う紫穂を逸美が横目で見て、
「こう言う奴が1番心配なのよ!」
と紫穂に聞こえない声でボソッと言った。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a