ポケット屋敷の探し物19 客間

「なんか、良い音楽が聴こえてくるわね。気持ちが落ち着く。こんなクラシック曲もあるのね。」
司がうっとりして言った。
「そうね、でもこれはクラシックじゃなくてヒーリング曲ね。」
奈々はいつも音楽に囲まれていたからこの廊下がBGM付きなこと意識していなかった。
「ほう、奈々様は博学ですな。」
秀一が感心して言った。
「まあ、音楽学校通ってますし…。」
奈々は照れて口籠った。
「早く行きましょう!」
どうしても落ち着かない紫穂が急かした。
「大変失礼しました。では参りましょう。」
と、紫穂に頭を下げた秀一はセンターにある階段から向かって左の方へ歩き出した。
左手の扉を開けると水色の壁紙と白っぽい電灯、隅の方に銀白色の食器棚や青い本棚が並び、中央には緑色の正方形のテーブルと紺色のソファーがあるスッキリした寒色系で統一された部屋があった。
「はい、こちらが客間でございます。お客は通常廊下を通らずロビーから直接入ることになります。プライベートのお話が出来るように、防音壁を使用しており、鍵は先程のお手洗い同様内側からかけることが出来て、一つかけると両方共鍵がかかります。さて。」

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a