見出し画像

ホシキツネ3

3.約束

何?あたし忙しいのに。

ボルペは渋々ながらステッロの元に戻った。

「ちょっと待ってくれよ、足がないから歩けないんだよ。ねぇ、僕と一緒にカケラ探してくれよ、頼む!」

「あいにくだけどあたし、早い事山の家を買わないとダメなのよ。あそこなら今晩いち早く沢山の流れ星が見えるでしょ?そうして流れ星に願いをかけるの!と言うわけで忙しいの。見つけたら届けてあげるからね?」

ステッロは暫く考えこみボソっと言った。

「君、願い事があるんだね?僕だって流れ星だよ。」

「だってあんたは欠けてしまって願いを叶えられないのでしょう?」

「今晩までにカケラを見つけたら僕は立派な流れ星に戻れるからそしたら君の願いを叶えてやるよ!ね?」

ステッロは必死で頼んでくる。

「願い事叶えてくれるって?悪い話じゃあないわね。でも今晩までにカケラが見つからなかったらどうなるの?」

「…身体が溶けて無くなってしまう。勿論それじゃ願いは叶えられない。でも、流れ星に願いかけるのなら流れ星を見つけて流れて消えてしまうまでに3回願いを言わないとダメなんだよ。大体流れ星見つけるだけでも大変。だから、僕のカケラを探す方が余程楽だと思うよ。」

何にしてもステッロほあたしにカケラ探しして欲しいのね。

ま、ステッロの言うことも分かるし、このままにしておいたらちょっと可哀想。

山の家のことも願い事のために選ぼうとした所。

ステッロに願いを叶えて貰えるのならもう拘る必要ない。

ボルペはそう考えてステッロを背中に乗せた。

「君、協力してくれるんだね!?」

ステッロの声は上ずっていた!

「しょうがないでしょ?行くわよ!あたしはキツネのボルペ、宜しくね。」

ボルペはステッロにきちんと挨拶したらカケラ探しを始める決心をした。

果たしてステッロのカケラはどこにあるのかな?


自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a