ポケット屋敷の探し物34 乾杯

みんなが席に着いて暫くしたら音がした方の部屋から
「悪い、待たせたな。」
と闘真が出てきた。
「よっ!未来の主!若旦那様!」
重蔵はアイドルのファンみたいにテンション上げている。
文花も神様にお祈りするように手を合わせている。
「素敵よお兄様!」
久美までも目を輝かせて恋する乙女みたい。
あれ?久美ってブラコンだったっけ?
「凄いね、何かの宗教みたい。」
と考え込む奈々の隣で司が呟いた。
闘真は、跪いてグラスを掲げる重蔵からヒョイっとグラスを取って部屋の中央でみんなを見回し、
「俺の成人式までまだ少し先だ。今日は暑い中集まってくれた幼馴染に感謝の意を込めて乾杯!!」
「乾杯!!」
みんな席を立ち、なるべく多くの人とグラスを合わせるため移動する。
その中で秀一は闘真に限らず誰と合わす時も自分のグラスを下にしていた。
「もう、秀一さんは先輩なんですから遠慮しないでくださいよ。」
と文花に言われていた。
しかし、この屋敷って人のこと下の名前で呼んでいるんだ。
確かにみんな仲良さそう。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a