ポケット屋敷の探し物31 重蔵のお詫び

中央奥の階段へ一同は向かった。
やはり和恵はしきりに中庭を見ていた。
階段を下りて直ぐ、広々としたパーティでも出来そうな大規模な食堂に着いた。
右の部屋はキッチンで、カウンター越しに料理を作っている様子が見える。
あ、さっき紫穂を怒鳴った重蔵だ。
紫穂の顔が強張るのを気づかずかお構い無しなのか、上機嫌でカウンターから顔を出し、
「おう、よく来たな。さっきはつい興奮しちまってわりい。俺はな、店やってた時にお坊っちゃま一家と知り合ったんだ。やむなく店じまいせにゃならなくなった時にここで働く道をくれたつまり命の恩人だと心から感謝しているし一生尽くすつもりだ。なのに俺としたことがお坊っちゃまの大切な幼馴染を目の前で怒鳴っちまった。お詫びの印にサービスメニューを付けたんだぜ。さ、秀一よ、お客人を特等席に連れて行ってやれ。」
「はい、只今。」
秀一が部屋の中央へ7人を案内した。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a