ポケット屋敷の探し物41 室内の風

しかし、人影らしきものは見当たらない。
「ほらあ、和恵の気のせいでしょ?紫穂も怖がり過ぎよ。」
逸美が紫穂の背中を軽く叩いた。
「ガサガサ!」
「きゃー!!出た!」
突然草が揺れたことで紫穂が驚いて振り向き、逸美の腕を強く掴んだ。
「あんたのが怖いわよ!ただの風でしょ!ほら、草花のいい匂い。」
そう言う逸美も気が動転していた。
「でもここ、室内でしょ?」
と司が首を傾げた。
「あ、申し訳ございません。この中庭は外の雰囲気を作り出すために不定期にそよ風のような換気が行われることになっております。そして、季節に合ったアロマオイルも使用しております。」
と秀一は頭を下げたが、
「あんった!それを早く言いなさいよ!」
と怖がりまくっていた紫穂が急に強気になって秀一に絡んでいた。
上の階、行ってみたら分かるわね。
それぞれの思いを秘めたまま一同は2階に上がった。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a