ポケット屋敷の探し物85 同じ匂い

「今、誰か立ち聞きしてた!ほらあそこから!」
紫穂が指差したのは半開きになっていら旦那様の専用扉!
「じゃあ、犯人はまだこの屋敷にいるってこと?」
司は聞いてみたがみんな旦那様の部屋の扉から廊下を覗いた。
「いない…。でも本当よ、ねえ逸美!」
紫穂はすがるように逸美の腕を両手で掴んで揺すった。
逸美は紫穂の方を見ずに下を向き、
「確かにね、この部屋に入ってすぐあの時の子供部屋と同じ匂いがしていた。そしてその子供部屋もランドリー室も同じ匂いがした。それが犯人のものか否か分からないけど手がかりにはなりそう。」
「じゃ何で黙ってたのよ!?」
腕を掴んだまま紫穂が問いただした。
「そりゃあんたらが取り乱すからよ!」
「匂いってでも香水の匂いじゃあないわよね。化粧に詳しいあたしでも分からなかったし。」
「布の匂いよ。私はこう見えても匂いには敏感なの。」
ああ、確か逸美は鼻が利くのだった。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a