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【短歌】〜11/28 小説に出てくる蠅



ガラス戸に捕まって蝿たったいま生口の空を闊歩されり

会えるから嬉しいと言われたあとの不通耐えきれず止める映画

妊娠ができない身体と告げられて食べてるクレープ抹茶の緑



父の手が伸びてきていて温かく ねこになったここちで僕は私に

あたたかい部屋の冷たい部分にている幽霊に挨拶しとく

霊感のない未亡人 幽霊を誘き寄せるためのセックス



ビー玉を床に並べて転がして欠陥住宅にするこの家を

蛇口より流れる水の竜を見て吾猫まだ物理を知らぬ

ハンドルを握って時速60キロラメ光る君輪舞曲鳴り止む


菌による気になるニオイも抑えるスプレーを恋心にかけて出る外

君による気になる心を抑える薬を服んで君に逢いにゆく街

初恋の絵を飾るおばさんの飲む薬々の真っ白さ



日々は只 飯、君、君、飯 の順で考える繰り返しのこと

小説に出てくる女を君にして初めて知れる君の思想など

色彩のない部屋に住む女の部屋に彩りを齎す私が





○道・朝 博、信号を渡る目には涙 香「どうしたの?」  博「…愛してる」

卒アルをめくる途中でスマホ鳴り いつかの君からだといいな

全校の空気を揺らして響いてるマイク、声、私、放送室

怖いもの見たさで覗く日記には知らない私沢山いたり


この街の悲しみ全て背負い飛ぶ蠅は祈るために羽を休め

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