‪鈍だ。ずっと膜の中にいる。目は文字の上を滑り、言葉は肌の上を滑る。定型内の非定型な毎日、目的からの逆算、合理性、効率性、偶然と予定外の排除、驚きは起きるべきではないから。海風に傷む柔らかな腕も、せせらぎに揺らぐ剥き出しの足もここでは望ましくない。水路づけられた成長へ邁進。そんなの全然生きていない。雑踏、日光、騒音にも耐えられるようになった。でも何も突き刺さってこない。痛みもない、血も涙も出ない。衝撃も感動もない、動かない。錆びている。切り替えられない無音の砂嵐。‬濤声と雷鳴はどこ。飼い慣らされた凪ではだめだ。どうか剥き出しの感覚を。日が昇ればまたこの危機感さえ沈んでしまう。‪この状態にも慣れていくのか?‬

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