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人生初の一人旅でシロイルカに恋をした

3月。有給消化がてら平日にぶらっと気ままな一人旅をしてきた。
前日の夜に突然、思い立ち、宿を予約して出発した。
小さなクマのぬいぐるみをポッケに忍ばせて、迷子になるのも、寄り道するのも全てが自分次第。
一泊二日の旅は気づけば、3万歩も歩いていたらしい。
今回はそんな弾丸お一人様の八景島を巡る旅について記していきたいと思う。

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なんか最近、つまらない。心が元気を失っている。そんな時に目の前にポンっと与えられた連続休暇。そうだ!一人旅に出かけよう。

旅に出かける前の私と言えば、

なんだか特別ツライ訳ではないんだけど、

なんだかツマラナイ。

毎日がぼんやりと楽しくない。曇り、のち雨って感じだった。

仕事も繁忙期が過ぎて、ぽかーんと空白。やりがいがない。

そんな時に上司に呼ばれた。

「有給、3月までに5日は消化してね」

そうだった。忘れてた。でも、何しよう。

なんだか、心が鈍っているのか、やりたいことが思いつかない。

平日ど真ん中では友人も構ってくれない。

むむむ。

旅行もお金かかるしなぁ、太るの嫌だしなぁ。

そんな時、ハウスメイト達が言った。

(私は国際シェアハウスに住んでいる)

「関東近辺で一人旅でもしてくれば?」

「いいね~交通費も安く済むし」

「この時期じゃ、お花見は早いよね~」

「山梨で甲州ワイン飲み歩くのとか楽しそう!」

「神奈川とかも楽しいらしいよね」

「八景島シーパラダイスとか良いんじゃね?」

皆、私よりも盛り上がっている。

でも、確かにちょっと惹かれる話ではある。

「シーパラダイスって何いるんだっけ」

「あーあれじゃん?シロイルカとか?」

ググってみた。

なんと!!!

なんと、可愛い生き物なんだ!!!!!!!

「私、行くわ、八景島」

「へーいつから?」

「明日から行くわ!!!!」

皆にゲラゲラ笑われながら、すぐに宿を探して、予約した。

「行っちゃえ!行っちゃえ!」の大合唱、声援に後押しされて、

とんとん拍子に一人旅が決定したのであった。

横浜は応援プランが充実。一人旅初心者にも優しい「八景島シーパラダイス切符のお得感に心躍る。

連休始めで、気楽な一人旅なのもあって、翌朝起きたのは10時過ぎ。

のんびり着替えて、電車を調べて、いざ出発。

ちびクマも一緒だから、きっと寂しくないはず。

国内旅行だから言語の心配はないし、PASMOがあれば、どこへでもスイスイ行ける。

期待に胸がふくらんで、足取りも軽い。

品川駅で京急線に乗り換えるらしい。

ちょいとトイレに寄ろうとした時、駅の小さな机のパンフレットが目に入った。

「葉山女子旅切符」

「三浦まぐろ切符」

そして、

「八景島シーパラダイス切符」!!!

なんだこれは!こんなの知らなかったぞ!!

まぐろ切符に目移りしつつ、シーパラ切符について、その場で調べてみた。

この切符の注意ポイントは往復切符含めて、発券当日限りということ。

私は一泊二日する予定だったから、復路の分は使えずじまいだったけど、

それでもシーパラの入園料を含めてもお得なので、買ってみることにした。

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電車に揺られながら、窓の景色をぼーっと眺める。

シーサイドラインはレールの下も広がっていて楽しい。

長い電車も通勤だと、しんどいけれど、旅行となると別物だ。

新しい出会いにワクワクしながら、のんびりと文庫本を読む。

紙の本を読んだのは久しぶりだ。

こういうゆったりとした時間の使い方を忘れていたような気がする。

いつものサブスクの音楽やYouTubeから離れて、

丁寧に活字を追っていく作業が、静かに楽しい。

心が落ち着く気がする。なんだか、嬉しい気がする。

ついに八景島に到着。目の前に広がる、だだっ広い水平線に思わず歓声を上げた。

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ざざーん。

木陰と岩場と波の音。

陽の光が波に反射して、きらきら光っている。

海辺を気の向くままに散歩するのが小さな夢だった。

まだ水族館に着いていないのに、はしゃいでしまう。

仲の良さそうな老夫婦が岩に腰かけて、寄り添っている。

気の良いじいちゃんが、ラジカセに小粋な音楽をかけて、釣りをしている。

最近の私ってのは、暇だからか何なのか、

気づくとマイナスなことを考えていたり、

すごく昔のイヤだったことを思い出していたりして、

そんな自分にうんざりしていたんだけど、

目の前に広がる海に、心のモヤモヤがスッと晴れた気がした。

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クマを岩やら橋やらに腰かけさせて、夢中になって写真を撮る。

心なしか、クマも楽しそうに見える。気がする。

いつもなら、電車は少しでも座りたいし、

歩くのなんか、まっぴらごめんで、階段よりもエスカレーターを使う私だけど、

この日ばかりは歩くのが、楽しい。

沢山、歩けるようにスニーカーを履いて来て良かった。

お洒落して、メイクもしっかりしてきたのも、さらに一人旅の気分を盛り上げる。

誰に会うわけでもないけど、自分のためにお洒落するのって、楽しい。

八景島シーパラダイスのゲートをくぐり、私は真っ先にシロイルカのコーナーへ向かった。

このシロイルカが、もう、めちゃくちゃ可愛かった。

何が良いって、自由なところ。

スタッフさんの言う事を全然、聞かない。

気が向いたら、時々、ぐる~っと一回りして見せる。

気持ちよさそうに水中を泳いで、浮かんでいる。

その呑気な表情が、何とも良い。

ちょいと回って見せると、観客席から声が上がる。

ドヤ顔。

特別サービスで、アクリルの塀から、身を乗り出したりなんかすると、

またもや、ギャラリーから、きゃ~!

いいなあ。

なんとこの水族館では、見るだけではなく、シロイルカに触らせてもらえる。

私もチビッ子やカップルに挟まれながら、列に並んでみた。

アルコール消毒をして、いざ。

ひやっ。

おお。

スベスベだ。

つやっとしている。

ゴムよりも柔らかで、ハリがある。

ちょいと感動さえ、してしまった。

なんだろう、自分の中の童心が、大興奮している。

すごい!生きてる!うわあ~~

普段、鈍っていた感性が刺激されて、フル回転する。

ドキドキ。

私、生まれ変わったら、シロイルカになりたい。

そうだ。そうしよう。

来世のプランも決まったことだし、

次のショーまで時間があるから、お土産コーナーへ。

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入口すぐ横にシロイルカの一番くじがあった。

うわぁ~ほしいいい。。。

今回は貧乏一人旅行なので、泣く泣くガマンした。

大きな家に引っ越して、今度は恋人と来た時にでも、お迎えすることにしよう。

職場の皆さんに海の生き物がプリントされたクッキーを買ってみた。

お姉さんたちに楽しんで、選んでもらえるといいな。

自分には、シロイルカのストラップを買った。

口がへの字で、ちょっとブサイクなのが、たまらなく可愛い。

その後は、ペンギンやコツメカワウソ、アシカの仲間のオタリアなどのショーを見た。

その動物も、ふれあいタイムが用意されていた。嬉しい。

一人旅の良いところは、お土産話に花が咲くところだ。

へなちょこの私が、関東の近場とはいえ、

一人でプランを立てて、一泊二日してきた話を、友人たちは興味深そうに聞いてくれる。

一人だから、感度も高まっていて、旅先での感動が大きい。

この気持ちを帰宅後に、友人たちに共有できるように、

しっかり目を凝らして、記憶する。

写真を沢山、撮る。

五感がめきめきと活性化する。

思い出を伝えたい人たちの顔を浮かべながら。

それって、けっこう、幸せだ。

一人になってみて、自分はずいぶん色んな人に支えられているなと改めて、実感する。

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お土産もたんまり買って、残りの水族館のブースもめぐった。

シーパラ切符のクーポンで、ロコモコ丼とサングリアでまったり。

良い景色を見ながら、ぼんやり頭を空っぽにするって幸せだ。

オトナの一人旅には、アルコールも欠かせない。

昼間っから、飲んでも、誰にも怒られない。

あっという間に夕方になり、閉館時間に。

コロナもあって、ナイトショーは見られなかったけど、

心もお腹もいっぱい、ホクホクだ。

帰り道には岩場に座って、夕日が沈んでいくのをぼんやり眺めた。

隣の海の公園にも足を伸ばして、夜の海をお散歩してから、

宿に向かった。

素泊まりプランで8800円。

窓から見える景色が素敵。

大きな温泉は付いていないけど、

頼めば、八景島スパまで送迎してくれるらしい。

私は沢山歩いて、へとへとだったから軽くシャワーして、

大きなベッドへダイブ。

ふかふかの広いベッドが嬉しい。

晩酌のお供をロビー横のコンビニで買って、ほろ酔いタイム。

脚をよく揉みほぐす。

たまたま鞄に入っていたネイルを発見して、塗ってみる。

ここのところ、じっくり自分の爪を塗るなんて時間、すっかり忘れていた。

オレンジ色の間接照明の中で、うっとりと頭を酔わせながら、春色を塗っていく。

手元が綺麗なだけで、少しイイ女に近づけたような気がして、にっこり。

おつまみに買ったチーザに、ハート型を見つけて、ますますハッピー。

こんな感じで、これからもゴキゲンに暮らしたいなぁと思う。

カメラフォルダを見返して、良い一日だったなあ、としみじみ。

初日は宿代、交通費、食事代、お土産代、

合わせて、17000円くらい。

これは良いお金の使い方だったと思う。

ぬくぬくとベッドに沈んで、夢の中へと寝落ちた。

翌朝。せっかくだから、ご当地グルメが食べたいと思い立った。

目覚めて、すぐにお腹が鳴った。

初日の「まぐろ切符」がまだ心残りで、なんとしても、美味しいゴハンを食べたいと思った。

チェックアウトを済ませると、ロビーに近場の観光スポット案内が置いてある。

そこで目を奪われたのは、「小柴のどんぶりや」の穴子丼一本盛りである。

これだ!!!!!!!と大興奮で、すぐに向かった。

本当はこの日、向かう予定のアウトレットパークと逆方向だったけど、

1日乗り放題パスを買って、往復することにした。

口コミを見ると、

「サクッ!フワッ!」

「ボリューム満点なので、是非お腹を空かせて」

との文字が並んでいる。

11時開店だったが、すでに列ができていた。

すぐに向かって、良かった。

品切れになることもあるらしいから、早めに行くのがオススメ。

順番を待って、いよいよ私の番が来た。

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これが、もう、ハチャメチャに美味しかった。

一口食べて、「ウッマ!」と心の声が漏れてしまった。

食べるごとに、「うま~」という独り言が止まらない。

他の席のあちこちからも、美味しい驚きの声が聞こえてくる。

おばちゃんが「ご自由にどうぞ~」と持ってきてくれた、タレ。

バシャバシャかけて、また「うま~」

サクサク、フワフワ。

ついでに付けた、サイドの豚汁も、これまたウマい。

ずぞぞぞぞ。。。ウマ~~

お腹が苦しい。幸せだ。

帰り道もしばらく、余韻に浸っていた。

ウマかったなあ~~

一口目に感動がある食事も久しぶりだ。

ええい、ダイエットは明日からだ!!

そして、いざ。最終日のメインイベント。アウトレットパークへ出陣!

ここで買ったものをメモしていく。

・ケイトスペード、二つ折り財布:10000円くらい(定価の60%オフ)

・as know as、春のショート丈コート:2000円(定価の半額以下)

・同じくas know as、春色スカート:1000円くらい?(定価の半額以下)

・オリエンタルトラフィック、春色ローファー、1000円くらい(安!!)

あとは休憩で、春水堂のミルクティー、540円

トータルで15000円くらいかな。平日&春バーゲンでお買い得だった。

ここに帰りの交通費やら、その他を入れて、初日の17000円と合計すると、

初めてのお一人様旅行はざっくり4万円くらいだろうか。

どうだろう。なかなか、悪くないんじゃなかろうか。

万歩計は初日が1万歩

2日目が2万歩くらい歩いたらしい。

恐るべし、女子のお買い物ダマシイ。

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一人旅で得られたのは、自分のリズムと向き合う時間だ。


一人旅、いわゆる自分探しの旅をすると、人生が変わるなんて聞くけど、

それは、あながち嘘じゃないんじゃないかな。

とか、一丁前に思ったりする。

だって、私は出発前と旅の後じゃ、表情が違う。

心のエネルギーが満タンだ。

180度ガラっと変わるわけではないけど、

ささやかに、1mmくらい、変わっている気がする。

それくらいの小さな変化を積み重ねて行けばいいと思う。

一人だと、頼れる人がいないから、めちゃくちゃ道に迷う。

時間も余分にロスするし、無駄に歩いた道を引き返すこともザラだ。

でも、その回り道の時間を、イライラするんじゃなくて、

楽しめれば、それは素敵だなって思う。

静かに黙々と歩いて、疲れたら休憩する。

元気が出たら、また歩く。

自分の興味に任せて、好きなように時間を使う。

お土産選びに何時間使ったっていい。

海のお散歩をずっとしてたっていい。

全部、自分次第で、責任も楽しみも一人占めだ。

なんか、それって、とても自然で、自由で、大切なことだ。

出発前よりも、3万歩歩いた後の私は、自分が好きになっている。

自分の時間、生活、ひいては、人生を楽しめる気がするんだ。

また、旅に出たいな。

今度は日焼け止めも忘れずに。

以上、夜くまでした。

ガオガオ!!!

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