夜光雲

長いながい夏の匂い 柔らかい記憶
咲いた花が散るまでよりゆっくり引く潮
月が昇るあとを追って吹くぬるい風
深いふかい夜の空 雲が游ぐだけ

ねえ 聞こえるかなこの声
僕らまだここにいて
穴の空いた心で
それなりの日々を歌って

忘れてった傘とか
書きさしの手紙とか
こぼれた全部を乗せたまま
高くたかく 眠れ 夜光雲

いただいたサポートは電脳広告屋『冬野屋』の運営費として活用させていただきます。