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いつだって眠り魔

明け方の雨風の音を聞いて、少し早めの電車に乗らなきゃなあとうすぼんやり思いながらまた眠りについて、起きたらとんでもない時間になっていた。

どうせ湿気でまつげは上がらないし、チューハイ飲んで即寝したせいかありえないくらいまぶたが腫れてたのでアイメイクはすっ飛ばしファンデと眉だけでごまかすことにする。あとはマスクがなんとかしてくれる。
昨日残したままだった食器を洗うだけ洗ってあと今日は水曜日なので資源ゴミをかき集めた。チューハイチューハイビール日本酒カルピス麦茶チューハイ日本酒。ツナの缶は金属ゴミなので含まれない。

朝ごはんは間に合わないのでコンビニでパンでも買って始業後にデスクで食べよう。
ファミマのパンはやだよぉ私はローソンがいいけどなぜか会社の近くにはファミマしかないので陳列棚のラインナップの中で強いて選ぶなら…と思いを巡らせ小走りで駅に着いたら大幅に遅延していた。

駅員が何か言っているのでイヤホンを外して聞いてみたら、なんちゃら駅を30分遅れで出たと言っていたけど未だにこの土地の地名に疎くGoogleマップを開く。
隣の市やないかい。ムリ。
生理痛も頭痛もつらかったし、いい加減お腹も空いてきた。並んでいた列を外れ、まだホームにぞくぞくと集まる人たちの波に逆らって歩きながら、休みの連絡を会社に入れた。

パンとコーンポタージュで満たされた後、昨夜のTLを追ったり本を読んだりして寝落ち。昨日21時に寝たのに。


うざいくらい大泣きしたあと、セックスのあと、ごはんのあと。自分で思う以上にエネルギーを要するのか、充足も放出もいつも激しい睡魔を伴う。

この間は大通り公園のクラフトビールイベントに行こうって約束してたのにセックスのあとまんまと寝落ちし、目が覚めたときには日は傾き、畳まれた洗濯物ときれいに片付けられたテーブルの傍らでキーボードを打っていた彼は笑って振り返った。
「きみはほんと、死んだみたいに眠るね」

妖婦ではなくて、妖術をかけられている娘のようにも思われて来る。それで、「眠りながらも生きている」、つまり、心は深く眠らせられているのに、かえってからだは女として目ざめている。人の心はなくて、女のからだだけになっている。(中略)娘はほんとうに江口をやさしく抱いた。老人はそのまま静かにしていた。目をつぶった。あたたかくうっとりして来た。ほとんど無心の恍惚であった。
眠れる美女/川端康成


今夜は地元から届いた日本酒に鰺のお刺身を合わせていただいた。また雨が強くなりそうだ。明日も電車遅れてたらどうしよう、また休もうかなとも思うけどこういう休みも2日続くと飽きるのでたぶんちゃんと出社しちゃうのだろう、つまらん。
この日本酒は空けちまおう。

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