見出し画像

9月某日、日記

前髪がかなり伸びたのでこのまま伸ばし続けることにする。流しやすいようカットしてもらった姿を見て、おお、大人っぽいですね、と呟く。もうじゅうぶん過ぎるほどに大人なのに「大人っぽい」とはおかしな言い方だ。

今週はとんでもなく忙しくて、帰って最低限の食事と家事を済ませて死ぬように寝て、ダルいままに朝を迎えてまた仕事に向かうばかりだった。同僚は前触れもなく姿をくらました。デスクにはカップもクッションも膝掛けも残されたままだった。
ムリ!もうやめる!っていうことは私も多い。だけど、資料なんかもういらねえ!って捨てまくってデスクのおやつをバッグに詰めて引き継ぎのエクセルをバンバン作りまくって着々と辞める準備をしておきながら、そういうやつに限ってなんだかんだダラダラ居座り続ける。だから彼女のいなくなり方はすごく「らしい」という感じがした。彼女は「辞めたい」って一度も言わなかった。

美容院は飲み屋街の中にあるのでかわいくなったついでにお酒を飲みたくなる。無難な立ち飲み屋で「いちじくとクリームチーズの生ハム巻き」という普段絶対食べなさそうなものをつまんだ。うん、なんか、やっぱ普通に煮物っぽいのが食べたいな。

明日はまじで何もしたくない。まじで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?