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聴読記録:Debt - Updated and Expanded: The First 5,000 Years

日本語のタイトルは「負債論 貨幣と暴力の5000年」、著者名は「デヴィッド・グレーバー」、定価6600円。買えない、こんな高い本!

最初の章から3章までを聞きましたが、言葉は大体わかるものの論旨がわからない。それで1章にもどりキンドル版を参照しながら聞くことに。

「銀行が金を貸す時は貸し倒れリスクも当然考慮して貸しているはずだ。それを『借りた金は返さなきゃいけない』という倫理を盾に債務者を追い詰めるのはどういうことだ?」という疑問の提示から、『借りた金は返す』というのは倫理であって、経済概念ではない。どこからこんな「信念」が生まれたのかと歴史的かつ文化人類学的な考察を開始。豊富な実例をもとに「借りた金は返せ」という倫理はどうやら征服者が被征服者に押し付けた倫理だと論証する様はまさに痛快。『そうか、そうだったのか!』と思わず膝を手で打ちたくなる明快な論理に拍手!

文章は話し言葉風に、あまり難しい学者風の形容詞や副詞は使っていないようです。今までのところ。

第1章でJean-Claude Galeyという人を引用していますが、ウィキペディアを見ると日本語の項目がありません。フランス語だけみたいです。

以下、仏語のウィキペディア記事から:Jean-Claude Galey ジャン-クロード・ギャレは1946年生まれの特にインドを専門とする人類・民族学者。EHESS(社会科学高等研究院)やオスロの大学で教えているそうです。彼の仕事は特に「債権者-債務者」の関係に重点を置いているとのこと。

この債権者-債務者の関係は一方的に債権者が債務者を責める関係、なぜ金を返さない、借りた金は返すべきだというものが多いと著者は言うのですが、ちょっと変わった例として日本の「田中広虫女(読み)たなかの ひろむしめ」を挙げています。これには、すごい勉強ぶりだと、ちょっと驚きました。この女性は強欲な金貸しで有名な人らしいです。テキスト中にはHiromushimeとあって何だこれは?と探してみたら広虫女だった・・・"『日本霊異記(にほんりょういき)』(下巻―26)にみえる説話上の女性"だそうです。

というわけで1章をなんどか聞きました。それでも聞き取れないところがあります。1章の朗読時間は51分39秒です。

私には英米語の聞き取りは難しいです。でもオーディブルの聞き取りは映画の聞き取りよりは易しい。それにテキストを入手できるのでよほど楽です。めげずに続けます。

絵:誰だか忘れました。ネットのニュース写真をもとに描いたはずです。フリーハンドデッサンをCLIP STUDIOで処理

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