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「理念」なきSDGsって、どうなの?(診断士的に、「MVV」「パーパス経営」から考える)

SDGs。
どこもかしこも17のワッペンをぺたぺた貼っているものを見かけます。

正直、食傷気味というか、違和感ないですか?

僕は、その違和感の正体が「理念がないこと」に集約されると考えます。

「理念って、なんだっけ?」
と思っている人、SDGsコンサルとかSDGsからめた仕事をしているなんて、口が裂けても言わないでくださいね。

“No one will be left behind.”
「誰ひとり取り残さない」
です。

 17 targetsを「目標」と訳したのは仕方がなかったのですが、もしこれをやり直せるならば、日本においては「手段」と意訳してほしい。「誰ひとり取り残さない」ための「17の手段」と言った方が、しっくりきませんか?

 こう言うと、ツッコミ入るんです。貧困や女性問題に比べ、森林や海洋の環境保全は「誰ひとり取り残さない」手段として直接的ではないんじゃないか、とか。

 そこは、”one health”「ワンヘルス」=人間と動物、生態系の健康を一体として捉える考え方が持てているか、だと。生物多様性の保全とも通じます(ちなみに「保全」と書くのは、「保護」よりも人の手を介して将来を見据えて取る行為という意図です)。

 特にスタートアップの方々は、自社の"MVV"を掲げますよね。このMission Vision Valueから、最近はMissionの上位にPurposeを置く「パーパス経営」まで踏み込む企業が増えました。従来の経営理念とそう変わらない企業も、社会と未来も咀嚼して進化させる企業もありますが、どちらにしても「理念がない」経営には、持続可能性を見出せないですよね。

 かつてのチームマイナス6%やチャレンジ25のような国民運動っぽい雰囲気に流されて「SDGs」って言ってみる企業や、noteのバッジみたいに17ワッペンを貼った広告にはゲンナリします。MVVやパーパス経営がわかる企業くらいは、理念なきSDGs(ウォッシュ)から、そろそろ脱皮してほしいものです。

 じゃあ、どうするか。これは人から授かった受け売りですが、
「ひとつでいいから、本業に沿った『誰ひとり取り残さない』活動をやり続けること」

 これこそが、企業の目指すべきSDGsであり、パーパス経営でいう存在意義ではないでしょうか。自社の取り組みにワッペンを絵合わせするだけの企業と違いが明確になり、共感や賞賛を得られると考えます。

 その意味で、拍手を送りたいのが岡山放送さんのこの取り組み。しかも、SDGsやMDGsと言われる前からやり続けています。(一方で、MDGsを知らないでSDGsコンサルと言い張る人もいましたね…)


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