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イラスト・ラフ 〜自転車に乗る 猫の親子

ワクワクする!お父さんはワクワクする!

できるかできないか…「いーや、できる!」と思うから
後ろから応援していてワクワクする!

昨夜、夕ごはんの時、何か決意したように
息子が「じてんしゃのる、れんしゅうする」といった。
食卓にいたお母さん、お姉ちゃん家族みんなで静かに受け止めた。
ああ、とうとうその時が来た!重大な責務だ。

何度も転んでしまうし、ケガもするし
痛い思いするけど
チャレンジャーになってほしい。そう思うぞ!

できることで、見える世界が広がっていくんだ!

いきなり、その瞬間は来た。

ものの10分程度で、すいーと飛行機のように
息子の乗った自転車は、手を離れていった。
始め、モタモタしていたのが嘘のように。

「案外、器用なんだねー」とお母さん。
手を叩いて称賛するお姉ちゃん。

猛烈に心が揺さぶられていたので
人前で泣いていても気にしないお父さん。

「良かった!!」
「んー…早い!!」

同時に湧き上がる二つの気持ちに困惑。

あっという間に体得した息子の快挙と安堵。
突然成長したように思えて、息子の成人式まで先が見えてしまった。
(何でこんなに早く乗っちゃうんだよ〜)

くるくると寂しい風がお父さんを囲う。
遠くから大喜びで何か叫んでる息子。


「はやく、おみせにいこうー!」

「??ええ?」

息子が自転車に乗る前。
五つ上の姉は、こう言っていた。
「お父さんはね、乗れたらゲームソフト買ってくれるよ。でも
お店に間に合う時間までに乗りな。今日ゲームしたいなら!」

「おみせにいこう」の謎は、
お父さんだけが知らないまま、数週間経つことになるのだった。

そんな想像。

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