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イラスト・ラフ 釣りをする猫の親子

個展のためにイラスト・ラフを制作中です。

釣りをする猫の親子。🎣

ちょっとしょんぼりなのは、お父さんの方。
今朝、満面の笑みで息子と二人で出掛けて行ったのに。

釣れなかったけど
「こういう時もあるんだよ」
息子に言うはずのセリフだった。

「一昨日から準備していたのになぁ」
遠い目で水平線を見つめたお父さんは、本日ボウズだった。
「大物が釣れて良かったなぁ」
帰り道の車の中で、複雑な心が波寄せる。

食べるのは好きだけど「さかなこわい」と言っていた息子。
きっと釣りをする姿を見せたら、楽しくなるに決まってる。
最後に七輪で食べた日には、もう!美味しくて釣りが好きになるかもしれない。そうしたら、毎週車に乗っけて釣りに連れていけるかもしれないから。それから…
楽しい想像が止まらなかったお父さん。

お母さんに無視されるほど、妄想をつぶやいていた。

「海に来るのは、早かったかー」
意気揚々と防波堤へ。
お父さんは牙を光らせながら華麗にキャスティング。息子に勇姿を見せたい!
10分後。糸を引っ張られたのは息子だった。

「わーすごいねー おっきいクロダイだねー」
大人気なく棒読みした。
心配そうな息子の目にハッとする。

嫌な予感がした。もしかして、そういう日なのか?と。
このあと、なぜかイカも釣っている息子。(釣れた小魚に食いついた)
竿を落としそうだったが、なんとか掴んだ。

大喜びの帰り道、息子は寝もしないで興奮して喋り続けている。
ふだんしゃべらない子が、こんなに大騒ぎしている…

良かった。
じゃぁ、連れてきて正解だった。

自分の成果のために連れてきたんじゃない。息子の成果が嬉しいんだ。

おれたちは成功したんだ!
と一人納得する、お父さん。

そんな想像。

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