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「よりそう」を伝えるって、なんだ|読書感想文

こんにちは、よりそう広報のタカダです!
関東甲信地方の梅雨入りが発表されましたね。私は湿気と暑さに弱いので、このところリモートワーク中はず~っとエアコンをつけて過ごしています。皆さんもお体ご自愛くださいね。

さて、ずっと積読していたこちらの本を昨日の夜更けにようやく読み終わりました。

「おいおい、お葬式はモノじゃないだろ!!」「お葬式を売りたいんか!」というツッコミを方々からいただきそうですが、まずは本の感想についてお話しさせてください。

この本の著者・鹿毛康司さんは、エステーの宣伝やコミュニケーション施策を手掛けている方。エステーの心の通ったCMはたびたび話題になりましたよね。
私も一応マーケティング部に所属する広報なので、「どうやったら会社の発展とお客さまの『よかった』を両立できるのか」、毎日考えちゃうんです。

私たちは「お別れの時間が心温まるものになってほしい」と願って考えうるベストのプランを提供しているわけですが、営利企業としての側面ももちろん持ち合わせているので、どうしても数字に頼ってしまいがちです。
しかし数字に頼りきってコミュニケーションを取ろうとすると、本当に伝えたいことは伝わらず、受け手から反発を受けたり企業自身が負荷を背負うことになりかねません。(よりそうも、何度もトライ&エラーを繰り返してます)

読んでいて、印象的なエピソードがありました。

鹿毛さんがエステー時代、「ファンベースドマーケティングのようなことをしたい」と部下に伝えたところ、「ファンという言葉は嫌いだ。企業側が上に立っているからだ」と叱責された。

というくだりです。
こうした言葉の端々は、意識が行き届きにくい領域です。だけど、そういうところで相手に見透かされてしまう。「結局私たちのことをマーケティングの対象として上から目線で見てるんじゃないの?」と思われたら、こんなに悲しい行き違いはありません。(私が広報だから言葉のエピソードに敏感になっている、というのもあるかもしれません)

私たちは自信を持って各サービスを開発・提供しているわけですが、
①自分たちはどのように認知されているのか
②会社やサービスをどういう「人格」として受け取ってほしいのか
③そのためには相手にどう接するべきなのか
④受け止めてほしい印象に沿った言葉遣いや振る舞いは何か

考え抜き、常に気を遣わないと、伝わるものも伝わらないし、なんなら勘違いして伝わるし、本当に届いてほしい人に届かないですよね。
そしてこの4つの問いに対する答えは数字を眺めるだけでは絶対わからなくて、自らの心を使って相手になり切るくらいの気概が必要です。

そのためのHow Toも載っているのですが、私が本当に大切にしたいと思ったのは「自分の心を使って相手の心に潜り、深層心理から聞こえた答えに呼応するメッセージを考えよう」「企業にも人格があるよ。ご利用者さまと法人の間ですべきは“人づきあいそのもの”なんだよ」というメッセージでした。

話を元に戻すと、私たちは言ってしまえば社名の通り「よりそいたい集団」なわけですが、日々のコミュニケーションからその気持ちを伝えられているか常に自省しなければならないと思ったのです。
ちゃんと伝わって、使ってもらえて、「ありがとう」と思ってもらえた総量が売上なのだとしたら、入り口である《伝える》を頑張って、「ありがとう」を増やしたい。そして「ありがとう」を原資に社会と関係性を持ち続けることで、いつまでもお役に立ち続けていたいのです。(もちろん、私たちはサービスを使っていただく側なので品質が何より大切ですが、それは大前提として)

私たちは正直、至らないところも多い会社です。
それでも、辛さや不安を感じているお客さま一人ひとりによりそいたいし、そこから一歩を踏み出すきっかけになりたい。そして、社会にとってもそんな存在でありたいと思います。

「あなたによりそいたいよ」「よりそってるよ」って伝えるのはとても難しいことです。言葉で言えば言うほど軽々しくなってしまうからです。
私が普段の人付き合いでよりそいたいとき気にしているのは、心遣いを振る舞いで示すこと。あえてそっとしておくとか、飲み物を渡して話のきっかけを作るとか。
それを企業対個人で行うことはとても難しいんですが、なんかたぶん、お客さまとの接点一つひとつでそんな気遣いができれば、きっと気持ちは届けられるのだと思います。

とはいえ広報職がゆえに「そういうメッセージ、言葉で伝えたいなあ……」と、本を読んで遠い目をしたタカダなのでした。一歩一歩がんばるぞ。

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