ぴーす

緩和病棟へ連絡。母の入院が決まった。多分帰って来られる。そう信じている。

がんサバイバーの考え方とは少し違うのかも知れないが、私は彼女の考え方もサバイブの一つなのではと思っている。がんとは戦わないらしい。共存しているようです。下血するのが面倒だが夫とは一味違う相方のようです。

目の見えない彼女は、いつも病院の方たちに「どこまで介助すれば良いか」と質問される。配置さえ分かれば勝手に動ける。病室に入ると、すぐに配置を覚えたいらしく顔色不良なのに、「ね、どこに何があるの?」と私に質問してくる。いや、待てて。ちょっと横になっててよ。先生来るし。

好奇心旺盛な彼女には敵わない。起こして手引し配置を確認させていると、先生がみえ、もう覚えてるの?と苦笑いされた。

母は「最後はぴーすして逝く」と言っている。逞しく誇らしい母である。

私は彼女が大好きだ。

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