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道草植物図鑑No.3 「スギナ(ツクシ)」

見つけると、こんなにも嬉しくなる植物は他にない!
そう断言できる。
子どもの頃は、春になると誰よりも早く見つけてやる!と意気込んでいたし、見つけたらみんなに自慢していました。

そして、それは今も変わりません。
ツクシを見つけたら、道ゆく人に「ここにツクシが生えていますよ!」と言いたくなります。

ところで、ツクシとスギナは地下で繋がった同じ植物だと知った時、
少しびっくりした記憶があります。

スギナはシダ植物。
種子ではなく、胞子で次世代を増やしていきます。
ツクシは胞子茎といって、胞子を作って飛ばすスギナの器官なのです。
被子植物でいう、花のような器官。
あくまで本体は、節々した緑の茎の方です。

とはいえ、やっぱりツクシは存在感がある。
土からひょっこり生えた丸い頭は可愛いし、
摘んで帰って、袴取りするのも楽しい!  

ずっとそう思っていたのですが、
スギナは早朝こそ美しい。
最近、それを知りました。

はっとするくらい綺麗な早朝のスギナ畑。
たくさんの露が朝の光を受けてキラキラしています。

朝露かと思いきや、これはスギナ自身から排出された水分。
スギナは節の継ぎ目に水孔という穴があり、
そこから余分な水分を排出しているそうです。
こんな綺麗な景色が見られるなら、早起きも頑張れそう。

さらに、このスギナのすごいところは地下に張り巡らされた根。
同じ場所に生えているスギナはみんな、地下の根で繋がっています。
どれだけ取ろうが、どんどん新しいスギナが出てきます。
「根っこをみてみたい!」とスギナを引き抜こうとしても茎が簡単にぷちっと切れてしまいます。
根まで引き抜かれないようにする工夫。
用意周到。その用心深さに感嘆してしまいます。


スギナ
Equisetum arvense
トクサ科トクサ属

在来多年草
花(胞子体)時期 : 3〜4月
生育地 : 畑地、野原など
    酸性土壌を好むそうです。



出典 : 身近な雑草の愉快な生き方 / 稲垣栄洋
   おもしろ植物図鑑 / 花福こざる

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