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デート

次は何について話そうか考えていた俺が
君にはぼーっとしてるように見えたみたいで
君は俺の前髪をあげた。
それが君にとっては思わぬ背伸びだったみたいで
小さい顔をリンゴみたいに赤く染めて
指の長くて綺麗なあまりに小さい手に隠れてしまった。
あぁこんな俺の比喩じゃ君に届かないな
君だったら未知の言葉操って、
世界一を更新してっちゃうからいっつも。
君のこと追っかけるだけで俺の人生がおわってしまいますように。
ねぇ俺今祈っているんだって。待ってよ。
ねぇ言ったらさ壊れそうだけど
言ったらさなにか起きそうだけど。
もしかしたら君が消えるのかも
そうしたらさ俺生きてけないけど。
そうでもしなきゃ全てが手遅れになるかもだから
出来れば聞き逃してね。
「好きです」 大好きです。愛してます。
あぁ嬉しそうな笑った顔の君。
照れ臭そうで。いやきっと君はどこもかしこもいい匂いなんだろうけど。
きっと俺の世でいっちばん可愛いもの。
そんな人が俺の文句に答えてくれるなんて
俺で幸せになってくれるなんて
辛かったけど生きてて良かったなぁ。
こんな事簡単に思わせてしまう
なるほど君は魔法が使えるのか。
どんな歌を描くのかなんて
こんな俺が心配する事じゃなかったよな。
透き通って
ふわふわな
シュシュのついた
君の君らしい音楽。
鈍い色をして
ぎざぎざな
ピアスの付いた
僕の僕なりの不抜きな生活。
そんなあべこべを君が描き起こしたら
弾んじゃってどうしよう死んじゃいそうだ。
最後には
僕への便箋には
あいらぶゆーな言葉が欲しいな。
なんてせいとぅーまいせるふ
だっただけの
たったそれだけの
世界なんだけれど。
君はお腹が空いたらしい。
そろそろちゃんとしなくちゃ。



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