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何も覚えていないほど必死に泳いだクレヨン。

あどけないままに、いたずらに走った丸い鉛筆。

人のことを見ないで力加減も分からないままでポキンと折れた鉛筆。

したいことがあるようでなかった、止まる派手なシャーペン。

2日で引き出しの中へ行く万年筆。

緊張して手汗で濡れた無地のシャーペン。

最後のはらいを駆けて、最後まで一緒の人を賭けて、最後まで思いやりに欠けて、パタンと置かれるボールペン。

君のボールペンは荒々しく駆けて、君は毎日絵を描いて、いつかパタっと止まるだろう命。

たかがハンコで、ねぇ私と僕の何が終わるんだろうね。

やっと埋まった空白の紙。

君に渡して折り目をつけられちゃ困るから

透明なファイルにしまった。

このままずっと隠しとけば、1番都合が良いのになぁ。

とか思いながら、気付かない君を盗み見た。

今の考えは蛍光ペンだね。

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