未来の画家
「... 未来の画家とは、流れる色彩要素の中で誕生以前に様々な形を知覚できる、このような能力を持っている人のことです。自由な色彩は画家のパートナーであり助けてくれる存在となるでしょう。」
「色の結び」ダニエル・モロー著 初鹿野ひろみ訳 より
エピローグを紹介いたしました。
そのことに関連した文章をいくつかご紹介していきますね。
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ルドルフ・シュタイナー『色彩と音の世界の道徳的体験』GA29より
「精神科学的な世界観から生まれる、感覚や感情のなかに完全に身をひたすとき、私たちは将来、新しい時代がやってくるのを予見することができます。
その新しい時代には、芸術家へといたる道が多くの点において、いままでとはまったく別のものになるでしょう。そして人間の魂は芸術的な創造の手段を、いままでよりもはるかに強く体験するようになるでしょう。
人間の魂は色彩と音のなかに、親密に、道徳的に、精神的に入り込むことができるようになるでしょう。芸術家が創造したものをとおして、私たちは宇宙における芸術家の魂の軌跡に出会うようになるでしょう。
このような点において、人類は将来、重要な発見を行うことになります。人類はみずからの道徳的ー精神的な本質を、目に見える感覚的な世界が私たちにもたらすものと、実際に結びつけるようになるでしょう。
私たちはこのような領域において、人間の魂が無限に深められていくことを予見することができるのです。」
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ルドルフ・シュタイナー GA29
「色彩の感覚は、人間がアストラル的なもののなかに引きあげられることによって、初めて生じます。『色彩は主観的なものである』といった説は、的はずれなものなのです。
人間はアストラル的な世界に足を踏みいれると、色彩と対話することができます。この場合、色彩が絵の平面において、どのようにふるまいたいのかを人間に告げることが重要な意味をもっています。
このような色彩体験を通して、現実のなかにはいりこもうとする観察の方法が、芸術的なものを生みだす基礎となります。色彩に出会うとき、魂はいたるところで、さまざまな感情や憧れを抱きます。
そして色彩そのものがみたされるとき(つまり画家が、本当の意味において色彩に向かいあって、色彩のなかから、色彩そのものが要求するものを描くとき)、人間は色彩のなかで生きることになります。画家は、色彩の本質に身をゆだねるとき、魂が必然的に願わずにいられないものを絵に描きます。」
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つづく