[Ae]レイヤー処理順〜ベクトルレイヤーとラスターレイヤーの罠〜
「マスク→エフェクト→トランスフォーム→レイヤースタイル」の順
ルールはこれだけだと思っていたんですが、違いました!!!
Adobe公式のヘルプによると
ラスターレイヤー(ベクトルレイヤーではないもの)では、マスク、エフェクト、トランスフォーム、レイヤースタイルの順で要素がレイヤー内に適用されます。ベクトルレイヤーを連続ラスタライズするため、初期設定のレンダリング順序は、マスク、トランスフォーム、エフェクトの順になっています。
ざっくり書くと
ラスタレイヤー(画像や平面レイヤーなど)
┗ マスク→エフェクト→トランスフォーム→レイヤースタイル
ベクトルレイヤー(シェイプレイヤーやテキストレイヤーなど)
┗ マスク→トランスフォーム→エフェクト→レイヤースタイル
ビビりませんか!?ベクトルレイヤーはエフェクトとトランスフォームが逆なんですよ!!
ラスターレイヤーでの処理順はいろんな方が解説されていますが、ベクトルレイヤーでの処理順は聞いたことがありませんでした。
シェイプレイヤーへのディストーション系エフェクトのかかり方が変で初めて気付きました…
ベクトルレイヤーは拡大縮小しても綺麗なままなのがメリットですが、そのときにもし、エフェクトが先に処理されていたら汚くなってしまうので、なるほどな…と感心しました。
そもそも処理順とは
正しくは「レンダリング順序」のようですが、長いのでこの記事では処理順で話します。
Aeは「レイヤーベース」と呼ばれる仕組みで設計されています。
レイヤーベースは、Photoshopなどペイント系ソフトでお馴染みの昔からある手法で、どんどん層を重ねることで絵作りをしていきます。
Aeでは下のレイヤーから先に処理し、上にどんどん重ねていきます。
これとは違う仕組みで有名なツールは「ノードベース」のDaVinci ResolveのFusionなどがあります。(1カットの映像の作り込みではノードベースの方が慣れれば効率的らしいです)
レイヤーにはマスクやエフェクトなど様々な種類の効果がありますが、その処理される順番が、
・ラスタレイヤーでは「マスク→エフェクト→トランスフォーム→レイヤースタイル」
・ベクトルレイヤーでは「マスク→トランスフォーム→エフェクト→レイヤースタイル」
です。
ラスターレイヤーは、上から順に並んでいるので、すぐ覚えられます。
ベクトルレイヤーは、何故かその順番では並んでいないので、気を付けるしかないです…
レイヤーにはエフェクトを複数適用することができますが、エフェクトはドラッグで順序を入れ替えることができ、上から順番に処理されていきます。
レイヤースタイルはPhotoshop準拠です。
↑この並びでも別にドロップシャドウの周りに境界線が引かれるわけじゃない
↑これはPsのレイヤースタイルウインドウのスクショ
直感的で分かりやすい
↑これはAeのレイヤースタイルメニューのスクショ
ウケる、何順なんだ
ディストーションエフェクトの「トランスフォーム」
ルールは分かった!でも「ラスタレイヤーでエフェクトより先に一旦スケール変えたい!」とか「ベクトルレイヤーでエフェクトかけたあとに移動させたい!」などなどあるかと思います!
そのときに有効なのが「トランスフォーム」エフェクトです。
ディストーションのくくりの中に入っていて、トランスフォームと大体同じことができます。
プリコンポーズとコラップストランスフォーム
処理順を制御するためにプリコンポーズすることもあります。
そしてそれと関連深い機能が、コンポジションをコンポジションではなく、レイヤーの集まりそのままとして扱う「コラップストランスフォーム」です。
下記の記事が仕組みについて詳しいです!
具体的なメリデメはこちら。
で、オンにするとベクトルレイヤー扱いになるみたいなので、「マスク→トランスフォーム→エフェクト→レイヤースタイル」の順になるという…
こわいこわい…
これは気が向いたときに綺麗な例を作って追記しようと思います。
Part 1おしまい
次の記事は、処理順Part 2でトラックマットとかマット設定の話をします!
最後まで読んでくれてありがとうございます! 良ければサポートしてもらえると嬉しいです!