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脳みその表面からしか言葉が出てこないので(2024.5)

 とりあえず近況的な感じで、今読んでいる本のテーマや個人的な動機を整理してみます。

 今の私はとにかく推しのために本を読んでいる。「ために」というのは推しに何かを押し付けるような意味合いではない。より正確に表現するなら、自分が推しと正しく向き合うために、という感じだが、主体も目的ももう少し漠然としている。
 推しに対する興味の方向は大きく分けて二つ。

①推しに対するファンのあり方
 自分が推し活をしていく上での倫理的な土台とか、基準のようなものをつねに検討していたいということ。紹介したものだと『「推し」の科学』『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』など。その他、『応援消費』『推し、燃ゆ』などを積読中。
②そもそも推しとは誰か
 推しの正体、材料、成分、その他諸々を知りたい。推しはプロレスラーなので、プロレス論(本人のインタビューやルポルタージュなども含む)、舞台芸術論、身体論、贈与論、群衆論、言語論あたりが関連してくるだろう。
 あと、推し本人はマスクマンではないのだが、覆面の魅力とか歴史的意義とかにも関心が向きつつある。
 

 ①②どちらの方向に向かっても最終的には批評、思想、哲学に辿り着く予感がする(もっと先があるかもしれないけど)。まずは今読んでいる『日本哲学の最前線』で紹介されている人たちを読んでみたい。

 私は推しを語る言葉も探している。①②も究極的にはそのために読んでいるようなものだが、もっと直接的な自分自身の語彙や表現の引き出しが欲しい。
 そういったものは意識して探している時よりも、純粋な楽しみのために読むものの中に見つけることが多いし、そうして見つけた言葉は推しを語る目的に限らず自分自身のための大切な言葉になる。まあ結局読書の楽しみってそういうところにあるよね。

 今、そうやって充実した読みかたができつつあるのは現代詩。私は詩というものへのセンサーが相当鈍いので、読みかたや良さが分からないことが多い(現在形)のだが、しばらく集中して読んでいると、他の文学よりも言葉がダイレクトに心に触れてくるような気がする。触れられかたのコツのようなものはあるかもしれない。
 いろんな詩に触れてみようと思ったら、アンソロジーなどもいいし、思潮社の現代詩文庫も便利。私はこの中でいろんな詩人に触れているところ。
 来月以降、気に入ったものを紹介できたらいいな。

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