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穴に置いたハンモックで揺られる

俳優の梅津瑞樹さんが好きです。

梅津さんの好きなところについて語りたい〜!とnoteの編集画面を開いたはいいものの、気軽に語ることができない人間であることを思い出した。
声帯を振動させて語る分には問題ないのだけれど、こうして文章として目に見える形で残すとなると、言葉を尽くさなくては……!とガチガチになってしまう。

「梅津さんが好きだ!」と叫ぶのは簡単だ。でも、「どこがどう好きなのか?」を細かく紐解いていくのは難しい。何度言葉にしたって、新しく文章を生成するときには手が止まってしまう。言葉にするのに時間がかかる人間なのだ。

今回は敢えて、敢えてゆる〜く語りたい。言語化を諦めるわけではない、思考を放棄するわけでもない。ただ、いつも硬い文章になってしまうから、もう少し気軽に読んでもらえるようなものにしたいのだ。「好き」を語る自分に、肩の力をもう少し抜くことを許したいという気持ちもある。何度でも語り直すことを私に許可する。

ハンモックで寝そべるようにのんびりと、楽しく綴るので、同様にハンモックを用意して読んでほしい。

梅津さんが好きだ

大見出しにしたのは、私の気持ちが破裂しそうであることを示したかったからだ。私は基本的に「好き」が大きめで重めで、湿度も高めである。だから、このサイズの文字は私の気持ちを表すのにピッタリだと思ったのだ。

嘘である。「好き」が大きいだの重いだのは間違いないが、大見出しにしたのに特に理由はない。なんとなく、でしかない。私は自分の感情に嘘をつけない/つかない人間である。まあ例外はあるが、嘘をつかないようにしている。
しかし、こういった適当な、くだらない嘘は好きだ。美容室で大嘘をついてみたいという強い願望も昔からある。どうでもいいか。どうでもいいな。

下書きも何もせず、見通しすら立てずに直接文章を打っているから、この先どんな思考が待っているのか私にも想像がつかない。初手から脱線しすぎであることは否定できないが、「好き」は私の思考と紐づいているものだから、お付き合い願いたい。

表情筋コントロールが好きだ

梅津さんの表情の演技が好きだ。私が梅津さんを初めて知ったのはカミシモである。ドラマと舞台の二形態で構成された『あいつが上手で下手が僕で』という売れない芸人たちの青春群像劇。

梅津さんは天野守という役である。カミシモを知らない人にお伝えすると、この天野、シーズン1を見る限り、かなりクールである。しかし、第五話から感情を徐々に見せるようになっていく。

彼の相方である現多さんにとある一言を言われたときの、右目下の筋肉がピクっと動くところ。動揺が現れているここの表現が好きだ。
主人公位置の時浦に詰め寄られたときの静かな、それでいて今までとは違う、何かを考えているであろう、何かを感じているであろう横顔。これが好きだ。
スーツを抱き締めた天野の、迷いながらも確実に変化を含んだ瞳、表情。大好きだ。

結局好きしか言えてない!
とにかくなんでもいいから観てない人はHuluで検索して今すぐに観てください。お願いします。カミシモについて別にnoteを書いた方がいいかもしれない。

第七話の天野の表情好きポイントは、以下の通り。
ネタバレいいですか? いいよね、もう。多分この文章読む人ほとんどカミシモ見てるでしょ、うん。

「現多さん、やめてくださいよ。どうせこのやりとりだって、忘れちゃうんですから」って言った時の瞳の濡れ具合が好きだな〜と思う。
「初めてだったんです。人に笑ってもらうのも、」と「母さんがあんなに笑顔なの」の間、後半のセリフを口にする直前の、感情が言葉にならないでいる、感情が溢れてどう言葉にしたらいいかがわからないでいるような、そんな表情の演技が上手すぎる……。えっ見返してこよう⁉️
表情筋コントロールで言うと、突然スンッとするのも大好き。これは天野に限らず、普段から。

天野の表情のお芝居に惹かれたのが、すべての始まりだった。

私は梅津さんのお芝居で表情の演技が一番好きかもしれない。言葉にならない感情を持て余している時の表情、感情が言葉を超えている時の表情、何を言えばいいのか言葉を探している時の表情。これらが本当に本当に巧みで魅力的で、大好きだ。

読奏劇を観てください。ご本人の言うところによれば表情の演技も削ったそうだが、それでも私は確かに読奏劇「猿ヶ島」の表情の演技がすごく好きだ。目を離すことができない。視線が吸い寄せられていく。

梅津さんの表情の演技が好きだ。演劇に触れた経験があまりない(ドラマすらほとんど触れてこなかった)ため、演技には詳しくない。でも、それでも梅津さんの表情管理は巧みだと思う。巧拙を抜きにしても、少なくとも私は梅津さんの表情のお芝居が大好きだ。

多彩な声色が好きだ

前の項で嘘をついたかもしれない。いっちばん最初に心に引っかかったのは声だったかもしれない。どちらが最初かは覚えていない。
当時カミシモをリアタイしていた私は天野の声を「背中を壁に向けて少し浮いている声」と表現している。なんじゃそりゃ。わからない、でもとある箇所でそう思った記憶はある。どこだったかは忘れた。

まあ細かいことはいいとして、梅津さんの声色の多彩さが好きだ。声色の多彩さについては朗読を挙げるのがいいだろうか。

いや、Twitterの動画だな……。

声の変化が好きだ。どうやって声帯を操っているんですか?!と聞きたくなる。カミシモシーズン3決戦前夜篇でのコントの燃料切れの声の表現も上手すぎて脳内で手を叩いて喜んでいた。円盤を買おう。

声の変化を紹介するにあたって外せないのが読奏劇だ。こちらは「高瀬舟」。最後の温度が一気に下がるところがゾクゾクして大好きだ。ダイジェストしかないが、大丈夫。円盤を買おう。

「これは、弟の言った通りにしてやらなくてはならないと思いました」の変容がすごい。好きだ。好きだーーーー!!! 好きです。

梅津さんは女性の声も上手いしおじいちゃんの声も上手い。梅津さんの声の表現が好き。その多彩さが好き。好き、好きです……。
多分声の出し方から好き。声そのものと声の出し方の違いを明確には説明できないのだけれど(言葉を探している最中、強いて言うなら声の出し方は「幅」かな)、とにかく梅津さんの声と声の出し方が好きです。

「好き」と言うとき、どうしても「好きです」と敬語になってしまう。勢いで。

文章が好き

梅津さんの文章が好きだ。言葉選び、話の持っていき方、風呂敷の畳み方、表現が好きだ。

梅津さんは演技に限らず、表現者であるのだと思う。生業としている、ということではなく、表現をすることにより生きている人。それがお金になっているかいないかにかかわらず、表現者はこの世にたくさんいる。かくいう私も、表現をせずには上手く生きられない人間であると自己分析している。読んでいるあなたも、もしかしたらそうなのではないだろうか。話を戻そう。

私は、梅津さんはお芝居と文章で自らを表現する人、そう思っている。表現者である梅津さんが好きだ。

梅津さんのTwitterやInstagramの文章が好きだし、著書『残機1』が大好きだ。書店で「はじめに」を読んですぐにレジに持っていった。美しい文章を書く人だと思った。綺麗なのではなく、美しい。一朝一夕では書けない文章。書くことと向き合ってきた人の文章だと思う。

梅津さんご自身が一部を朗読されたものと、購入に至るリンクを貼っておく。試し読みができるという点においてはAmazonなどのリンクを貼った方がいいのかもしれないが、公式サイトを尊重した方がいいかと思って、bambooのサイトを選んだ。

梅津さんの文章が好きだ。もしまだ『残機1』に触れたことがない人がいれば、梅津さんのInstagramやTwitterでその文章に触れてほしい。好みな人は引き返せないほどに好みなはずだ。ちなみに私も、引き返せない側の人間である。梅津さんの文章が好きだ。何度言っても言い足りない。

梅津瑞樹さんが好きだ

梅津瑞樹さんが好きだ。

表情、声、文章、と語ってきた。三大好き要素である。表現者としての彼を尊重して、表現のなかで選んだ。好きなのはここに人間性も加わるが、それは表現ではないので、割愛する。人間性に関しては別サイトで長々と堅苦しく話しているので、今はまだ満足感に支配されている。

梅津さんが好きだ。私はすぐ「梅津さんが好きです」と零してしまう。本心である。感情が高ぶると自然に口から飛び出してくるのだ。Twitterの二つのメインアカウントのフォロワーからは「○○くんが好きです」が鳴き声だと認識されている。どうでもいいか。

私は表現されたものを言葉で説明すること、再構築することが本当に苦手で、時間がかかる。でも、好きだと言いたかった。引用が多すぎたなとも思う。多分これから何度も言葉にし直すので、歩き始めの赤子だと思って見守ってほしい。

梅津さんが好きです!
梅津瑞樹さんの表現が好きです!

梅津さんに出会えたことを本当に嬉しく思う。閉じて生きていた私は、梅津さんに出会って世界が広がった。重たい扉が開かれたような気がした。梅津さんは深く豊かな世界を持つ人だ。彼に出会って、私には見たことのない世界がまだまだあるのだと知った。梅津さんは、私の世界を豊かにしてくれた。明度、彩度共に上げてくれた。人生が色鮮やかになったのだ。

梅津さんが好きだ。この先何がどうなるかはわからない。永遠に好きでいたいとおもっているが、永遠がないこともわかっている。でも私は、今日、確かに梅津さんが好きだ。私はそれを大事に抱き締めていたい。

ハンモック上での語らいは、いかがだったろうか。
また語る時がくれば、お付き合いいただけると幸いだ。

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