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私が技術士と名乗るまで|初めてのnote

技術士とは

技術士の資格を調べると最初に出てくるのが
科学技術のプロフェッショナル
技術系の最高峰資格!

とかいう文言です。
が、その資格の実態を知る人は一般人には殆どいません。工学系の大学を卒業することで取得できる資格でも、
1級建築士や測量士などと並んで技術士が紹介されていた記憶があったが、実際に企業に就職した際には、特に資格を意識することはなかったし、職場にも技術士なんていう資格を持っている先輩は一人もいませんでした。

資格について全く無頓着だった私が、なぜ技術士と名乗ることにこだわるのか、について語ります。

サラリーマンとは

こんな私が技術士という資格を取得しようとしたのは、
サラリーマンであったことが大きいと思います。

サラリーマンとは、企業に勤めて給料をもらう、いわゆる会社員のことです。
一般的に、理科系大学を卒業して企業に就職する際には、
総合職、一般職、技能職というカテゴリーでの採用になるかと思いますが、まあ当時は、

  • 総合職:大学もしくは大学院卒

  • 一般職:短大卒の女性

  • 技能職:高卒

といった具合に分けられていたと思うので、
何にも考えずに総合職サラリーマンになったのです。

ここで重要なポイントとしては、こんな感じで企業に就職する際は、「総合職社員」として採用されるので、エンジニアとかのコースは無いんです。サラリーマンって、文系理系も区別がないので、何も知らない人から見たら文系理系って、わからないんです。

なので、理系入社の同期でも、営業部とかに配属されている人もいました。さすがに新入社員で人事部とかに行く理系はいなかったけど、その後の人事異動は、理系採用だからエンジニア一筋ということは一切ありません。

その時々の会社の方針によって、人事、総務、営業、企画など、まさに将棋の駒のように、異動させられてしまうのがサラリーマンという悲しさです。

ついに技術者になる

サラリーマンとして仕事をするうえで、大事になってくるのが名刺に代表される肩書。

私の最初の配属は製造子会社の「製造部技術課」でした。
やっぱり傍目には研究や開発とか入っているとカッコいいですよね。当時「研究開発本部」に配属された同期の名刺をうらやましく思ったものです。

ただ、私が配属された技術課は上司の活躍により、技術課から技術部へと大きくなっていき、新製品の開発や量産立ち上げなど忙しい日々が続きました。上司の口癖「技術者が会社を動かすんだ!」に影響された私は、電話に出る際に部署名を言うのが面倒だったので「技術の〇〇です」というのが習慣になり、この言い回しとともに、当時単に「技術部」と書かれた名刺に誇りを感じるようになっていました。

自称「技術者」の出来上がりです。

そんな私でしたが、その後の人生を左右する、その時は突然やってきました。

初めての人事異動

工場から、本社部門への異動です。

当時、世の中で叫ばれだしたISO認証取得や環境規制への対応を狙いとした全社横断プロジェクトが発足。

各事業部門からメンバーが集められることになり、その中の一人に当選してしまったのです。

プロジェクトの仕事は、ISO認証などの推進活動だったので、全国にある工場へ出向いて問題点の改善や指導にあたるのですが、工場の技術部時代とは違い、自分は全く手を動かさないで、認証基準や法規制などへ適合するための体制づくりや文書作りなど、社内の体制整備を各所にお願いする日々。

各地の工場にはベテランの先輩方も多く、自分がお願いする様々な内容(当時は本社の指導・支援という名目でした)が本当に役に立つのか半信半疑で、思いつく専門書を買いあさって、とにかく勉強しまくりました。

それでも、工場指導なんて初めての経験、自分の意見が大きく工場の生産性に関わってくると考えると、なかなか自信をもって指導ができませんでした。調整や折衝の毎日に、これって本当に技術者の仕事なんだろうか?と、モヤモヤする毎日を過ごしていると・・・

そうだ!技術士になろう

そのとき、たまたま買った1冊の専門書。

巻末に「技術士二次試験(環境部門)受験ノウハウ」という付録がついていました。ふと読めば「技術士」はコンサルタントや技術指導に従事する技術者の国家資格であり、名刺に堂々と「技術士」と書くことができるとありました。技術士の英語訳は”professional engineer”であり、「プロの技術者」です。
カッコいい響きですよね。

サラリーマンとして技術を名乗るには技術部にいないとだめだが、技術士は個人として「技術」を名乗ることができる、しかも国家資格で、理科系最高峰という資格。これなら全社の工場を指導しても誰にも文句は言われない。しかもカッコいい。

こんな経緯で一念発起、私は「理科系最高峰」の技術士資格の取得に動き出したのです。


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