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働き方改革は、よい職員室づくりから?

「先生が足りない。」

先日SNSで茨城県の教員採用試験が定員割れを起こしそうだというニュースが流れてきました…

びっくりするような話ですが、全国的に教員の数が足りていないのが事実です。私の働く自治体でも、教員の数が足りないまま新年度が始まってしまった学校の話を聞きます。

そもそも教育学部に進学する学生が減っている。そして、教育学部を卒業しても一般企業に就職する学生が増えているという状況のようですが、大きな原因は社会的にも「教員はブラックである」ことが認識されてきているからでしょう…

そのような中で、現役の教員である私たちは、どのように働いていけばいいのでしょうか。今回の記事では、探究テーマの一つとして掲げている「職員室づくり(学校の組織開発)」を軸に考えてみたいと思います。


1.「教員の働き方」との出会い

私が初めて「教員の働き方」問題と出会ったのは大学生の頃でした。当時SNSでは、部活動顧問のブラックさが話題となっていました。部活で育てられてきたような私、そして中学校の免許を主免として取っていた私にとって、目を背けることができない問題でした。

そこで、大学の卒論のテーマを「部活動顧問の選択権問題」とし、情報を集めることとなります。卒論の制作を通して、これまでお世話になってきた部活が、先生方の生活を削った上に成り立っており、持続可能なあり方ではないと再認識しました。

論文の完成度はさておき、「教員の働き方」と向き合うきっかけとなりました。そして、そのことが小学校で働くという選択にもつながったように思います。(もちろんそのことだけではありませんが。)

2.「教員の働き方」と自分

そんなこんなで、現在小学校の教員として働いている私ですが、自分自身の働き方はというと、退勤は遅いし、休日出勤もしてしまうなど、働き方改革とは真逆のような働き方をしているように思います。

年数もそれなりに重ねることで、受け持つ分掌も少しずつ増えてきている実感があります。特に、4年目からは体育主任を任せてもらえていることもあって、運動会シーズンなどは仕事量が完全にキャパオーバー。自分のクラスのことに取り組めるのは、定時を余裕で超えてしまった時間からとなることがしばしば。

4月はただでさえ事務作業が多いので、いわゆる第二領域(緊急度は低いが重要なこと)に取り組む時間がなかなか取れませんでした。こうやって記事を書けているのも、GWで時間があるからだと考えると、今後いかに時間を作っていくかが課題となっていきます。

3.「働き方改革」にどう向き合うか

冒頭で触れた「教員のブラックさ」の解決に向けて、様々な取り組みが進んでいるように感じます。個人の働き方改革について、ブログや書籍で発信する人が増えたり、学校組織での実践事例について掲載されたり、文科省も働き方改革の事例集をだしていたり…ect.

私の職場でも、昨年度から「働き方改革プロジェクトチーム」が立ち上げられ、今年度からは正式な分掌として位置付けられました。異動2年目。今年度からチームメンバーに加わり、どんなことで貢献できるのだろうかと企んでいるところです。

参加の動機として、働き方に対して漠然と問題意識をもっていたこともあるのですが、熱量の高まりとして、昨年受講したLeaning Creater's Lab での体験も大きいです。

チームでのプロジェクトテーマを「常識を変える地図」と定め、「変えたいと思っているのに、変えられないのはなぜか」という問いに立ち向かうための、すごろくを使ったワークショップを制作しました。

学級担任という立場で、クラスづくりに関してもまだまだ経験値が必要であることは間違いないのですが、組織の一員として学校(職員室)をよりよくしていきたいという思いが強くなっていった経験でした。

おわりに

働き方改革を進める上で、事例を切り取って真似するだけでは上手くいきません。この辺りはクラスづくりにも通じている部分であり、その組織を構成する一人ひとりが実際にどのように感じているか、何を求めているかを尊重していく必要がありそうです。

タイトルにした「働き方改革は、よい職員室づくりから」
職場で可能な取り組みをどんどん進めていくことも大事ですが、じっくり、じんわり、職員同士の関係性を耕していくことを大切にしていきたいなと思っているところです。

そんなことでは、根本的な問題の解決にはならないという声も聞こえてきそうですが、まずは自分の手の届く範囲から。そして、多くの学校で「自分たちの手で変えることができるんだ」という実感をもち、風土を変えていくことが長期的な目線で考えても必要であると感じています。

今後、働き方改革プロジェクトチームでの取り組みの様子も、可能な範囲でお伝えできればと思っていますので、お時間があればご覧いただけると幸いです。


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