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ニードル銀河


https://esahubble.org/images/potw1251a/

IC 2233、ニードル銀河の写真です。
まさに、虚空に置かれた、銀色に光る針である。
ニードル銀河と呼ばれるのも納得。

ICカタログ (IC catalogue)
星団、星雲、銀河など、見かけの様子が単独の恒星とは異なる天体を集め、その天球上での位置を示したカタログ。NGCカタログを補足するものとしドライヤー(J.Dreyer)が発表したインデックスカタログ(Index Catalogue)の略称。
全部で5386個の天体が掲載されており、1860年分点での赤経順に番号が付されている。

IC 2233は、知られている中で最も平らな銀河の一つだ。

典型的な渦巻き銀河は、目に見える主要な3つ部分でできている。銀河ハロー、銀河円盤そして銀河バルジ

言葉で説明するよりも、下の図を見れば、それぞれがどの部分を指すものか一目瞭然だと思う。

とは言え、一応説明しておくと、


銀河ハロー(galactic halo)とは、渦巻銀河の円盤を包み込むように丸く分布している星の成分。単にハローともいう。
バルジや銀河円盤に比べて密度が圧倒的に低い。そのため観測が難しいと言われる。

銀河系(天の川銀河)のハローの星は、年齢が古く、重元素量が低い。

銀河ハローの星の分布は一様ではなく、球状星団が多数存在しているほか、ガスも広く分布している。飲み込まれつつある矮小銀河が見つかることもある。

銀河円盤の回転曲線や球状星団の運動の観測から、ハローには星やガスをはるかに上回る質量のダークマターが存在していることがわかっている。これをダークマターハローという。

天文学辞典

銀河バルジ(galactic bulge)
渦巻銀河とレンズ状銀河の中心部にある楕円体成分。単にバルジともいう。
古い星で構成されており、早期型の銀河ほど大きい傾向がある。少数の例外を除けば、星生成はほとんど見られない。
 
ほぼ純粋な回転運動をしている銀河円盤とは異なり、バルジの星は回転速度に加えて大きなランダム速度も持っている。
 
多くのバルジの中心部には非常に重いブラックホールが見つかっている。

天文学辞典

銀河円盤(galactic disk)
渦巻銀河とレンズ銀河に見られる円盤状の構造。ディスクと呼ばれることも多い。

渦巻銀河の円盤には冷たいガスが豊富にあり、継続的に星が生まれている。ただし、ガスの総量は星より一桁ほど小さい。
多くの渦巻銀河の円盤には渦巻腕と呼ばれる巻きついた腕のような構造が見られる。
円盤内の星やガスは銀河中心の周りを同じ方向に回転している。中心付近を除けば回転速度は半径によらずほぼ一定である。そのため、より内側にある星やガスの方が早く一周する。
もし回転運動が円盤の星の重力だけで決まっているとすると、回転速度も外側ほど遅くなるはずであるが、現実の回転曲線がほぼ一定なのは、ダークマターでできたハロー成分があるためである。
銀河円盤は一様な構造ではなく、比較的新しい星からなる薄い円盤と比較的古い星からなる厚い円盤の重ね合わせである。冷たいガスや渦巻き腕は薄い円盤に属する。

天文学辞典

さて、このIC 2233を見てみると、バルジがない。非常に平たく、銀河の長さが厚さの10倍はある。

また、ダストレーンと呼ばれるチリの筋がない。
中心部の上下に僅かにマダラ状の構造が見えるだけだ。

円盤に沿って見える青い光は、ここに若い星があることを示している。つまり、この銀河は星の生まれるところ、腕を持っていると考えられる。


さて、以上のことからこの銀河は一体どういう性質の銀河なのだろうか、私なりに考えてみた

バルジがない。
バルジは新しい銀河ほど大きい傾向があるということから、すれば、この銀河は古いということになる。

ダストレーンがない。
つまりチリが少ない。チリは、集めて(集まって)星を作る。ということは、銀河の中にあるチリを使ってしまった。
銀河は古い。

どの観点かなら考えても、このような構造を取る銀河は、古い銀河なのではないか。と思うのだが。

ちなみに、現在わかっている我々の天の川銀河の姿というのは、下記の図。

星流とかブラックホーが作り出したバブルとか、ダークマター・ハローとか・・・そんなのがあるのかと驚き。

こりゃ、一度まとめて調べてみよう。

http://kai-kuu.jugem.jp/?eid=1505



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