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アインシュタインは、正しかった


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中央の明るい星は、白色矮星 スタイン2051B、地球から約17光年のいちにあります。
しかし、今回の主役は、この星ではない。
この星の左下に見える小さな星こそ、文字通りスターなのです。

この小さな星は、地球やから約5000光年離れたところにあります。
なぜ主役かというと、この小さな星は、2年の間に見える角度が約2ミリ秒角動いたのです。

これがなぜ問題かというと、遠くの星は動かない(ように見える)からです。星が動かないのに動いて見えるというのは、なぜか。
それは、星からの光が曲がったからとしか考えられないのです。

光は、空間を直進します。
だから、私たちは、見えるものが、見えるところ(光のくる方向)にあると考えるのです。

例えば、自分とその左後ろに人が立ち、鏡の前に立つと、鏡の向こうに、自分とその左後ろに人が見えます。
実際は、自分も人も鏡のこちら側にいますが、目に見えるのは鏡の向こう側にいるように見える。

これは、光が鏡で反射して見える光が、私たちの目には、鏡の向こう側からまっすぐ私たちのところに届いている様に見えるからです。

これは、反射ですが、光が曲がった時も、私たちには光がまっすぐ届いていると見るので、実際の位置とズレたところに、もの(この場合星)がある様に見えるのです。

光は、屈折や反射することはあっても曲がりません。
では、なぜ曲がったのか。

それは、空間が曲がったのだ。
アインシュタインは、重力によって空間自体が曲がるのだと考えたのです。

そして、この写真がその証拠!
遠くの星から届く光が、17光年先の白色矮星 スタイン2051Bのそばを通るときに、この白色矮星によって曲げられた空間を通ってくるために、曲がった。正確にいうと、曲がった空間を光は直進した。

だから、我々にとっては、ピンボケの一枚ですが、物理学者にとっては、大興奮の一枚なのです。

ちなみに2ミリ秒角というのは、どれほどのものかというと、
「2300km離れた場所から1ユーロ硬貨の表面をアリが這うのを観察するのと同じです。」ですと。

そんな精度、一体どうやって出すんだ?
と私は思いましが。


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