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はくちょう座の壁


https://apod.nasa.gov/apod/ap220815.html

画面の中央、青く輝いているところは、北アメリカ星雲という輝線星雲だ。なぜ、、北アメリカ星雲と言うかとその形が北アメリカ大陸に似ているから。

と言っても、これだけで北アメリカ(アメリカとメキシコ)をイメージできるかどうか。

下の写真ではどうか。
左側に北アメリカ星雲、右側の明るいところが、ペリカン星雲だ。右上から、中央下に画面を二分している暗黒星雲に沿ってペリカンの長い嘴が見える。

https://apod.nasa.gov/apod/ap210916.html

大体、解ったと思うが、念の為、下の写真。
これは、カナダのバンクーバでの写真。
ライオンと名付けられた、山のピークが2つある。

左のライオンの頭の上に北アメリカ星雲がある。
おお、これなら北アメリカと言われれば、そうだとなるだろう。

ついでに、画面の右側上方に明るく輝くのは、はくちょう座のアルファ星(一番明るい)デネブだ。

https://apod.nasa.gov/apod/ap210129.html

さて、最初の写真に戻ろう。
北アメリカ星雲を形作っている茶色の壁、これがはくちょう座の壁だ。

北アメリカ星雲とペリカン星雲は、輝線星雲と呼ばれる星間物質がイオン化されて光を発している星雲だ。

輝線星雲が出来るためには、近くに星間物質をイオン化する超高温の星が存在しなければならない。

この星は、上記のはくちょう座のデネブであろうと以前は、考えられたこともある。
しかし、デネブの表面温度は8,500度であり、また、距離もかなり離れている。

そこで、北アメリカ星雲とペリカン星雲の両方をイオン化して発光させている超強力な星がメキシコ湾にあたる黒い影の部分の暗黒星雲の後ろに、隠れているのではないかと考えられるようになった。

そこで、赤外線で調べてみると、あった。
その星は、表面温度40,000度を超えており、フロリダ海岸に当たるところのすぐそばにあるので、便宜上バハマル星と呼ばれる。

バハマは、スペイン語で「干潮の島」を意味する「Islas de Bajamar」が元の名前。バハマの多くは干潮時に船からしか見えないためだという。

この輝線星雲では、たくさんの星が誕生している。
また、はくちょう座の壁は、星からの光の圧力を受け、星間物質が吹き飛ばされ、いずれ北アメリカ星雲も消滅すると考えられている。

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