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青色コンパクト矮小銀河


https://esahubble.org/images/potw1526a/

ピンクの花が咲いたような所と、青い星が目立つこの矮小銀河は、SBS 1415+437 名付けられている。
黒い紙の上に砂を撒いたような美しさだ。

ピンクのところが目立つが、ここでは、星が盛んに生まれているところだ。
新しい星からの強力な紫外線によって、周りの水素原子が発光するようになっているのだ

また、青い星は、これらの星が若く重い星だということを示している。
なぜなら、星が青く見えるというのは、高温だからだ
星が高温になるのは、質量が大きいからだ。

実際このSBS 1415+437銀河には、ウオルフ・ライエ星と呼ばれる非常に高温で重い星を異常に多く持っている。

ウオルフ・ライエ星
太陽の20倍ほどの質量を持ち、大量の粒子風を宇宙空間に吹き出し、急速に星を減少させ、この種の典型的な星は、わずか10万年で太陽と同じ質量を失ってしまうという。
また、表面温度が太陽の10〜40倍と非常に高く、明るさも太陽の数万倍から数百万倍と非常に明るい。天の川銀河系にある最も明るく巨大な星の多くは、ウオルフ・ライエ星だ。

そして、これらの星は活動が激しいため、あまり長くは続かず、数十万年という非常に短い時間で燃料を燃やして宇宙空間に放出する。
そのため、この画像のようなうウオルフ・ライエ星銀河を除いて、1つの銀河系に数個以上のこれらの星が見つかることは珍しい。

このような若い星が多いということは、この銀河自体も非常に若い。つまり、この銀河では、最初のスターバーストが起きている銀河であると考えられる。

スターバースト
大量の大質量星が短期間に生成される現象。
と言っても、通常の星生成と同じく小質量星もできている。
星の生成率は、年間10個〜100個(太陽質量)ほど。
継続時間は、1000万年〜1億年。

しかし、最近の研究では、もう少し古く13億年以上前の星を含むとも言われる。

このような、スターバーストが起きている銀河をスターバースト銀河という。

スターバーストは、円盤銀河や合体銀河の中心部、そしてこの銀河のような青色コンパクト矮小銀河の全域あるいは、一部で起きる。

このような矮小銀河は、宇宙の初期に形成され、最初の星を作り、その後合体して大質量の銀河を作ったと考えられている。

そこで、SBS 1415+437 のように、何世代もの星が集まってできた重い元素をほとんど含まない矮小銀河は、宇宙初期に起こったと考えられるような星形成過程を研究する上で、最も適した場所の一つなのだ。


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