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太陽系外惑星 プロクシマケンタウリb


https://www.nasa.gov/feature/jpl/eso-discovers-earth-size-planet-in-habitable-zone-of-nearest-star

このイメージ画は、太陽を除けば、地球に一番近い恒星であるプロキシマケンタウリの惑星プロキシマbの地表の想像図です。

この想像図がNASAのホームページに載ったということは、えらい事なのだ。

ん・・・?

NASAというのは、National Aeronautics and Space
 Administration (アメリカ航空宇宙局)の頭文字をとったもの。
宇宙探査やそれに必要な技術を開発しているところです。
ファンタージはもちろん、SFを発表するところではないのです。

そのNASAが、このイラストを発表したのです。目を皿のようにして見てみよう。

まず、見えるのは地平線近くにある太陽。
そして、朝焼けか夕焼けのように赤く染まった空。
その空には、薄っすらと雲が見える。

この太陽は、プロクシマケンタウリ。
我々の太陽を除くと、地球に一番近い恒星アルファケンタウリの三重連星の一番小さい恒星だ。

つまり、他の恒星系の話だ。

朝焼けや夕焼け、そして雲があるということは、大気があるということだ。

地上に目を向けると、風化・侵食された岩や山並みがある。
雨や風がある環境ということになる。
そもそも、岩があるということは、この惑星は、地球や火星のように岩石惑星だ。

とまあここまで分かったとして、それがどうしたと思われるかもしれない。

太陽系には8つの惑星がある。
宇宙には無数の星がある。
だから、それぞれの星に惑星があって、宇宙にはこれまた無数の惑星がある、だろうとは推測がつく。

だがそれは、あくまでも推測だ。
本当にあるかどうかは分からない。
一番近い恒星アルファケンタウリ4光年程ある。

例え惑星があっても、望遠鏡で見ても見えない。
だから、科学的に「ある」ということが最初に、分かったのは、1995年10月なのだ。

それまでは、探しても探して見つからない。
もしかしたら、惑星があるというのは、太陽系の特殊事情なのではないかとさえ考える人もいたのです。

ちょうど、宇宙には地球にだけしか生命が存在しないと考えるようなものです。

それが、まず他の恒星にも惑星がある、ということが科学的に分かった。(現在は5000個以上見つかっているようだ。)

次に、このプロキシマbは、ハビタブルゾーンにある。
ハビタブルゾーンというのは、水が液体で存在できる範囲ということだ。

惑星があっても、その恒星から遠すぎると、水が凍って生命が存在できない。あまりに近すぎると、水が蒸発してしまって、これまた生命は存在できない。

その恒星の温度から考えて、近すぎず遠すぎずちょうどいい塩梅のところがハビタブルゾーンなのです。

だから、このプロキシマbは、生命が存在するかもしれない。それも、地球から4光年ほどの距離にある。というわけで、すごいことなのだ。

ただ、そう簡単にはいかないかもしれない。

まず、この惑星に大気があるかどうか、確認はされていない。(イラストには大気があるように描いてあるじゃない! まあ、それは・・・)

次に、この惑星は、月と同じように、太陽に対して同じ面だけを向けている可能性がある。昼のところは常に昼。夜のところは常闇の世界ということだ。

また、太陽系の水星よりも恒星に近い距離にある。どれだけ近いかというと、1公転するのに、11日しか、かからない。つまり、一年が11日なのだ。

したがって、恒星からのフレアの影響を強く受け、生命にとっては危険かもしれない。

ただ、この惑星の磁場が強力で、フレアを弾き飛ばすくらいであれば問題ない。が、それは分からない。

とまあ、他の恒星にも生命が存在できる惑星がある!と手放しでは喜べないのだが、今回分かったような手法で調べれば、そのうち、もっと生命の存在可能性が高い惑星も見つかるだろう。

という意味では、やはり画期的なのです。


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