見出し画像

土星に手を振る


https://apod.nasa.gov/apod/ap130719.html

トルコのアソスにある古代アテナ寺院の遺跡の夜空。
左地平線上に月が上ろうとしている。右上に土星があり、その右下におとめ座のスピカが見える。
天の川が地平線の中央から左上に大きな弧を描いて伸びる(下の写真参照)。

ほぼ肉眼レベルの、この夜空の写真は特別なのです。
それは、この日、土星を回る、探査衛星カッシーニが、地球の写真を撮った日なのです。

この日この場所にいたら、その人は土星を見ると同時に、約13億km離れた土星から、カッシーニが撮る写真に写るかもしれない。

だから、土星に手を振ろう、とこの写真の撮影者は思ったのでした。

地球から見る土星でさえ、これくらいの光の点なのだから、土星の約10分の1の大きさである地球は、土星の位置から見たらもっと小さいから、当然写るはずはない。

しかし、この気持ちはわかる気がする。
ここに、この時間にいたら、私も手を振っただろうと思う。

サポートしていただけるなんて、金額の多寡に関係なく、記事発信者冥利に尽きます。