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壮麗なるもの La Superba


https://apod.nasa.gov/apod/ap081218.html

ラスペルバ(La Superba:ラテン語で壮麗なるものの名称を持つ、りょうけん座Y星(Y Canum Venaticorum (Y CVn))は、非常に珍しい星です。

19世紀の天文学者アンジェロ・セッキ(Angelo Secchi)がその赤く美しい姿に感動してラスペルバ(La Superba:壮麗なるもの)と、名付けたように、とても赤く輝く。

半規則型変光星で、160日の周期で変光している。
全天で最も赤く見える星の1つであり、炭素星の中では最も明るく見える。

半規則型変光星
かなり周期的に変光することもある一方時々不規則な光度変化をすることもある、中期から晩期のスペクトル型を持つ巨星または超巨星である。
変光周期は20日から2000日以上であるが、光度曲線の形は様々で一定していない。変光範囲は数百分の数等級から数等級と激しい。


この赤色は、この星が炭素星と呼ばれる星であることに由来する。恒星の核で水素からヘリウムへの核融合が終わると、やがてヘリウムが核融合して炭素ができるようになる。

この段階で、恒星の表面の外層は膨張して冷え、放射は電磁スペクトルの赤端に遷移し、恒星は赤色巨星化する。さらに寿命が近くなると、核融合生成物(炭素)が対流によって核から外側に移動するため、恒星大気の炭素濃度が上昇して二酸化炭素やその他の化合物を形成する。

この炭素化合物が、波長の短い電磁波(青とか紫色の光)を吸収するので、非常に際立った赤色に光るようになるのだ。

このラスペルバは、ヘリウムから炭素への核融合の最終段階にあるとみられ、その太陽の約100万倍もの強烈な恒星風によって年に太陽質量の1万分の1もの質量を失っている。いずれは現在の50倍もの速度で質量を失い、惑星状星雲を形成し、最終的に残された核が白色矮星となると考えられている。

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