内側リング(inner ring),外側じゃない?
これは、Spiral Galaxy NGC 1512と呼ばれる棒渦巻銀河。
この銀河には、リングが2個ある。
棒状の銀河本体の周りを取り囲むリングと、中心部にある核リング(nuclear ring)だ。
外側のリングは、内側のリング(Inner Ring)と呼ばれている。
いや、外側のリング(outer ring)の書き間違えではないか、と思われるだろう。私も最初、何を言っているのか理解できなかった。しかし、書き間違いではない。
下の図(写真)を見ていただきたい。
これは、NGC 4314と呼ばれる棒渦巻銀河でリングが3つある。う〜ん、そう言われれば・・・。
と思われる方(私だ)に、下記の図(写真)。
これは、NGC 1097という銀河の写真。
リングは赤色で、銀河のバーは緑色で囲んである。
この写真を見て、それから、上の写真を見る。
そして、今回の紹介の銀河NGC1512の写真を見る。
すると、・・・
なるほど、銀河を取り巻いているリングは、内側のリング(Inner Ring)だわい、と納得できる。
しかし、ここでちょっとした疑問が湧いてくる。
核リング(nuclear ring)、内側のリング(Inner Ring)、外側のリング(outer ring)というのは、わかった。
が、なぜ、区別する必要があるのか。
リング2個、リング3個と片付けてはいけないのか。
いや、別に区別してもいいのだけど、・・・と思うではないか。(私だけ?)
一つの謎が解けたら、新たな謎が生まれた。
かくして、yasuの眠れない日々が続くのであった。
yasuに心穏やかな日が訪れるのは、いつの日であろうか。
・・・・・
なんてことをやっている場合じゃない。
一気に片付ける。
今から、30分以内に、この記事は書き上げる。
そして、トレーニングに行くのだ。
さて、このリングの問題。
そもそも、リング(輪っか)があるということは、何を意味するのか。
普通の渦巻銀河は、銀河の中心(バルジ)があって、その周りをほぼ円盤状に星々が渦を巻いている。綺麗なものだ。
リングなどない。
しかし、棒状(バー)銀河は、まさしく棒状なので、周りの星々に与える影響が、単一の球状の中心(バルジ)である銀河と違ってくる。
具体的には、銀河の円盤の綺麗な渦巻き、対称形を崩す。
崩すというのは、綺麗な渦巻きの位置から、ハズレさせるのだ。
そして、この綺麗な渦から、外れた星々は、どこに行くか、というと実は、銀河のバーに影響され、一定の位置(これを共鳴軌道という)に落ち着く。
これが、リングなのだ。
だから、バーのすぐ外、バーの2倍の所とリングができるのだ。
銀河の周辺のガスやチリは、銀河中心に引き寄せられることによっと、密度が高まり、その重力による圧力によって、高温になってくる。
そして、一定程度以上の重力により、圧縮され、高温になったガスやチリは、やがて、核融合反応を起こして、さらに高温になり、重力のよる圧縮と均衡が取れる状態になる。
これが、星の誕生だ。
この銀河は、よく見ると、バーと接した内側のリング(inner ring)から、大量のチリ(茶色い筋)が、銀河中心、核リング(nucler ring)に流れ込んでいる。
そこでは、猛烈な星の誕生が起きていて、核リングが、明るく輝いている。
また、当然のことながら、内側リング(inner ring)でも星々が沢山誕生して、青く輝いている。
そりゃそうだ。
本来の軌道から、引き出され、共鳴軌道に強引に集められたのだから、あちこち、密集して密度が高く(重力が大きく)なって、発熱⇨核融合反応→星の誕生のメカニズムが働く場所だからだ。
このように、バーとリングの関係は、銀河の再生メカニズに関係していると考えられるので、興味津々なのだ。天文学者は。
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