星の誕生
今星が生まれようとしている。
と言っても我々の時間感覚では、まだかなり先だが。
星が生まれる時は、宇宙空間にあるチリや水素の雲が集まり、それが密集して大きな重力を持つようになる。
その重力の圧力で中心部が、超高温、超高圧になって、やがて水素が核融合反応を始めて星ができる。
この星が形成される過程で、周りのチリや水素(ほとんどが水素)が、核を中心とした円盤状の形状になる。これを降着円盤という。
降着円盤がなぜできるか。
これは、シンクの水が排水溝の周りで、渦を巻く様子イメージするといい。あれと同じメカニズムだと思えばいい。
この円盤から、どんどん星の核にチリや水素が落ち込んでいき星が作られていくのだが、同時に、中心から、円盤に垂直方向にジェットを吹き出す。
どうして?
申し訳ないが、私は、このメカニズムをよく理解していないので、うまく説明できない。
大雑把にいうと、原始星の持つ磁場に降着円盤から落ち込む粒子が跳ね飛ばされる。
磁場に反応するのは、磁力を持ったものだ。
なぜ、チリや水素が磁場に反応するのか、疑問に思うだろう。
実は、降着円盤に集まる粒子はだんだん密度が高くなり、お互いに衝突したり、擦れあったりする。
そうすると、電気を帯びる。
電気を帯びると磁性を持つようになる。
フレミングの法則として、学校で習ったあれだ。
ということで、原始星の降着円盤に垂直方向、原始星の極方向にジェットが噴き出すのだそうだ。
そして、このジェットが周囲の物質と衝突して、この原始星の上下に空洞ができている。
ブルーのところとその前のオレンジのところだ。
ブルーのところは、ダスト(チリや水素)が薄いところ。
ダストの層が厚くて青い光が逃げられなくて、オレンジに光っている。
この星が生まれようとしているところは、L1527と名付けられている。
星の原型は、この砂時計の真ん中、くびれたところにある黒い帯の中にある。
この黒い帯が、降着円盤で、大きさは太陽系ほどある。
このL1527の年齢は10万歳ほどと見積もられている。
宇宙規模から言えば、極めて若い。
サポートしていただけるなんて、金額の多寡に関係なく、記事発信者冥利に尽きます。