死につつある銀河
NGC4921
このなんとも元気のない様子のこの銀河は、別名貧血銀河とも呼ばれている、NGC4921銀河。
通常、銀河内には、星間物質が沢山あり、それが圧縮されたり、集まったりして、新しい星が次々と形成され、青く輝やいたり、周りの星からの電磁波で星間物質が赤く輝いたりと、美しい光景になるのだが、この銀河、星間物質がほとんどない。
その結果、新しい星の形成がほとんど行われず、こんなみすぼらしい色合いになっている。そして、新しい星が生まれないので、後は静かに死を待つのみなのである・・・。と擬人的に表現するとそうなる。
どうしてこういうことになったのかというと、この銀河は、かみのけ座銀団という、、10,000個ほどの銀河の集まりの中にある。
銀河間には、銀河団ガスと呼ばれる高温のガスがあるのだが、銀河がこの高温のガスの中を通り抜けると、銀河の中のガスが剥ぎ取られるのだそうだ。どういうメカニズムなのか、私にはわからないが、そう書いてある。
(気持ち悪いので、一応調べてみた。)
池の中に、泥にまみれたジャガイモを入れて、水の中を動かす。
そうすると、ジャガイモの泥は水によって落とされる。
この池が銀河団。水が銀河団ガス。ジャガイモが個々の銀河。ジャガイモの泥が銀河に含まれる星間物質。
よく分かるでしょう。
我ながら、いい例えだと思うのだが。
ところで、ここで疑問が湧いてくる。
銀河の間というのは、真空ではないのか。池の水に例えるくらいの物質で溢れているのか。
調べてみたら、なんと、この銀河団ガス、銀河団に含まれる全物質の8割を占めている。我々に見えている、星々や、銀河は2割くらいなのだとか。
その上このガス、その温度数千万度から1億度なのだという。
どうして見えないのにあるとわかるのか。
そう見えてないのだ。
可視光線では見えないのだ。
可視光線レベルの光を出していないのだ。
X線でみると、つまりX線の波長でみるとたくさん見えてくるのだ。
すなわち、X線を活発に出す物質があるということで、これが銀河団ガス。
そして、このガスが銀河団の総質量の8割を占めている、ということなのだ。
ところで、最近の研究では、この銀河、星間物質を全部剥ぎ取られたわけではなく、一部残っていた。それが、下の写真のオレンジで色付けされているところ。
ここには、チリがフィラメント状に集まっているのだとか。
どうしてそうなったかというと、この銀河の磁場によって、引き剥がされたガスのスピードが落ち、その結果、一旦引き剥がされたガスが、またこの銀河に引き戻されたのだとか。
このフィラメントの外側には、チリやガスは剥ぎ取られて、ほとんどない。
ふ〜ん、という感じだ。
話がデカすぎてというか、でかい割には単純すぎて、あっけに取られる。
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