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年末雑感31日

思い起こせば、2020年の初め。

骨折した指の治療が強制終了しました。
とても尽力してくださったけれど限界がきたのでしょう。

でもその頃はまだ、両腕が上がらないし腫れていました。だから、重いものは動かせない片付けたくても片付けられない、だけじゃなくて、翼をもぎ取られた鳥の気分でした。何かすると、障害だらけであることに気づくので、いちいち心が撃沈するのです。

それで、思い出すのが、25年以上を共に過ごした鳥のことです。

彼は、立派な羽毛がふさふさ生えそろってきた頃、人間でいうと何歳くらいなんでしょうか。初めて飛べるって、初めて走れるくらいの感覚ですかね。それなのに、私から、風切り羽をハサミで切られました。そのときの、ドッと肩を落とし情けない声で「ピィ…」と鳴いた声。嗚咽かという、しわがれている声に聞こえました。すごく、すごく嫌なんだなと伝わりました。おそらく、実質的に飛べないという前に、プライドが傷ついたかもしれません。とても賢い鳥でした。それと、私がたった一本の指を折って、なぜか身体全体&心に支障が出た時のショックに似ていると思いました。何をしようにも、飛べない。この先どうしようという、絶望。

2月は、まだ購入したばかりのカメラのシャッターも、自由にきれない。精密機器を落とす危険から、とにかく最優先で首から吊るす紐を購入したものです。

そんな感じだったのに、この夏から冬にかけて、結構重い段ボールの移動が徐々にできるようになっていて、指は綺麗に元通りというわけではないのですが、力が入るようになってきました。すっかり衰えてしまった、指・掌・腕全体の筋肉が再生するには、2年以上かかるそうです。年末になったら、なぜか腰やお腹のむくみも取れてきていて、はっきり言って全体的にシワシワです。

そういえば今年は、昭和に活躍した各界の巨人たちの多くが、この世を去りましたね。それを振り返るような番組が、年末には多くて、しみじみしています。シワシワどころか、肉体は滅びるのです。いつか終わりが、他の人と同じように来るのだと実感できます。

そして、なんと言っても自分が若かった時代が、こんなに「昔」扱いになっている!ことに、改めて愕然。ずっと変わらない気でいるのは、気が若くていいのかも知れないけれど、リミット(限り)を忘れてしまってはいつまで経っても充たされないことでしょう。

ここまでにはこうすると決めた上で、どこまでも走り抜けるつもりでいたいです。それを、もう一度心に納めて、明日からに備えたいと思います。

常日頃から駄文お読みいただき、ありがとうございました。
皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
2020年末



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