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鈴の音がするパラレルワールド

昨晩のことです。

漫画を読んでいると、別の世界を想起することがあります。その漫画の内容と全く関係ないわけじゃないけれど、その延長線上に浮かぶ、こちら側の空想世界が蔓をのばすように独自に広がっていくのです。きっかけがあって、ずぷっと足がとられて沼に入っていく感じで広がります。そうなると、その漫画が読めなくなると思うじゃないですか。そうではないのです。漫画は漫画で読み進めていけるのです。そうしながらも、パラレルに別の世界があるような状態。ただ漫画の世界の味が薄まります。

薄まったことに、あっと気づいてページを戻る。

せっかくだからちゃんと読みたい。でも、また同じ場面、あるいは会話のことばのところで、同じようにひっかかってパラレルワールドの方が濃くなってしまい、それを、2回繰り返したところあたりだったと思います。この日は、もっと不思議なことが起きました。背中よりも後ろで、大きな鈴の音がリアルにはっきりと聞こえました。閉じた頭の中の、パラレルワールドを突き破って割り込んでくるような勢いを伴っていました。

鈴が床に落ちたのか?

イメージは1mくらい後ろの床あたりです。すぐに、そうではないとわかりました。その鈴の音には聞き覚えがあることを思い出しました。その鈴は一つは財布につけています。そのとき財布は引き出しの定位置に入っていました。もう一つは鍵につけてあります。鍵はそのときバッグに入れっぱなしでした。だから、私の真後ろでそれらの鈴は床に落ちないのです。

何らか他の鈴が落ちているかもしれない。

しかし、それを探す前に、怖い気持ちを払拭するためにクマのぬいぐるみをガシッとハグして自分を落ち着かせました。その時、もしもこのクマのぬいぐるみに宇宙人が入っていたら、もう逃げ場はないな。と、そういうことを心配している自分を、冷静に見つめ直すゆとりを持ちはじめたことで、怖さの方は無くなりました。

もう鳴ってしまった鈴の音をなかったことにはできない。

そう思って、聞いてしまった経験をなしにするよりも、同じ経験をした人がその出来事をどう処理したのかを調べる方がいいと判断し、私はネットで調べてみることにしました。すると、結構あるある体験のようで、いろいろと解説までされていました。

何故かそのとき、その体験の意味をどう捉えることにするかは脇にいってしまい、特殊な体験だと思ったことがそうでもないことの方に驚きました。昨日まで知らなかったけれど、この世の中では結構な数の人が脈略のない鈴の音を聞いているらしい。そっちの方が不思議になりました。

たとえば、耳の記憶というのがあって、それが突発的に想起されるということがあるのなら理解できます。フラッシュバックがあるからです。私がそのとき漫画を読みながらパラレルに別のことを想起したように、何かが同時に進行することは人の頭の中で起きうるわけですし。鈴の音が記憶からきたのかかわからないけれど、時を同じくして起きたのです。

なんらか片付けが進んで、床に鈴が転がっていたらお知らせします。


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