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後藤さん

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記事一覧

【金利入門#3】株価と金利の関係㊥

【金利入門#3】株価と金利の関係㊥

5日前に流した「株価と金利の関係㊤」(下記リンク)、とても好評いただきました。その翌日、パウエルFRB議長講演@ジャクソンホールで、利上げ警戒が再び強まり、株価が急落しました。世の中の関心としてもちょうどいいタイミングで、直近の動きにも触れながら説明していきます。

なにかを学ぶとき、いきなり分厚い本を読むよりも、最近の話題に関連付けて少しずつ知見を積み重ねていくほうがいいように感じています。その

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【金利入門#2】株価と金利の関係㊤

【金利入門#2】株価と金利の関係㊤

おとといスタートの「金利入門」。有料記事にもかかわらず1万以上のアクセスがありました。「大事そうだけど、やっぱりとっつきにくい」という方が多いようで、解説しがいのあるテーマだと再認識しました。

前回、金利は「経済の体温」と説明しました。ほどよく温まっているのが健康的だけれども、高けりゃいいというものでもない。そして、「金利と景気」の関係は単純ではないという話でした。

今回のテーマはそこから延長

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英国債ショック 「金利と価格」そもそも解説

英国債ショック 「金利と価格」そもそも解説

朝配信の👇の記事の補足解説&続報です。

まず朝も流したチャート。英国債金利の乱高下です。

で、この記事では「金利」ではなく、「価格」に着目します。なぜか。この局面では価格もとても重要だからです。これを機に「債券価格下落=金利上昇」の基本的な仕組みもあわせて解説します。旬な話題を起点に、基礎知識を補強していくと、金融の奥深さへの理解がスムーズに広がっていくと思います。

では、はじめます。今回

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【金利入門#1】まず金利って?

【金利入門#1】まず金利って?

「金利って、わかりそうで、よくわからない」。そんな方、多いのではないでしょうか。それでいて、ニュースでは「FRBが異例の利上げ」「金利差で円安」「金利上昇で株安」と金利の話が相次ぎます。あいまいなまま聞き流していると、頭の整理が追い付かなくなります。

というわけで、「金利入門」の連載を始めます。誰にでもわかるように、でもいま抑えておくべきポイントをしっかりつかめる説明します。週1-2回のペースで

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そもそも経済#6 実質金利って? 株価・景気を左右

そもそも経済#6 実質金利って? 株価・景気を左右

最近、経済ニュースで「実質金利」という言葉が増えてきています。何度か聞いたことある方も「わかったようで、また忘れる」という方が多いのではないでしょうか?

このnoteでは、どこよりもわかりやすい説明となるよう奮闘しました。それでいて、株価や景気への影響もすんなり頭に入るようにしています。というわけで、始めます。

◆ まずは計算式この記事では何度かこの式を出しますので、なるべく頭に入れてください

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そもそも経済#5 米雇用統計 なぜ重要?

そもそも経済#5 米雇用統計 なぜ重要?

久しぶりの「そもそも経済」です。なにげなく聞き流している経済ニュース。「そもそも何?」「そもそもなぜ?」を掘り下げることで、ニュースの意味がもっとわかることを目指したコーナーです。

今回は「米雇用統計 なぜ重要?」です。

雇用統計は世界で最も注目される経済指標といわれます。結果と市場予想との差を巡って、金融市場をしばしば揺らします。しかし、日欧では雇用データはそれほど注目を集めません。なぜ米雇

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米企業決算集計 PERに映る市場心理は?

米企業決算集計 PERに映る市場心理は?

米企業の決算はピークを越えつつあります。企業によって明暗がありますが、Amazon, Apple, Microsoftなど主要企業は発表後に株価が上昇するなど、全体として市場の反応はよかったといえます。

今回は少し視野を広げて、2022年、23年の米企業の利益がどうなりそうか。そして、GAFAMなど主要企業の内訳はどうなっているか。さらに株価との関係(PER)はどうなっているか。言葉の説明は最小

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FRB入門#5 逆イールド

FRB入門#5 逆イールド

【注】7/26配信の記事をもとに、9/15時点の状況を踏まえ上書きしました

前回、「逆イールド」とはなにか、なぜ「景気後退(リセッション)の兆候」とされるかを説明しました。今回は過去の逆イールド局面も簡単に振り返ります。

上記は1987年以降の長期チャートです。緑のシャドーが「景気後退(リセッション)」(NBERベース)です。そして赤丸が「2年-10年」の逆イールド。いずれも景気後退の少し前に

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FRB入門 #4 イールドカーブとは?

FRB入門 #4 イールドカーブとは?

【注】7/25の配信記事を9/14時点の状況を踏まえ上書きしました

FRBの大幅利上げ観測が強まっており、9/14には2年債が一時3.83%まで上昇し、15年ぶりの高い水準を付けました。2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が深まっています。景気後退のシグナルといわれる「逆イールド」や、そのもととなる「イールドカーブ」をできるだけかみ砕いて解説します。

国債は3カ月債や10年債、3

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FRB入門 #3 そもそも10年債って?

FRB入門 #3 そもそも10年債って?

10年物国債。いろいろある国債のなかでも主役といえ、マーケット報道でよく耳にします。「10」がキリの数字ということもありますが、それ以外にも注目される理由があります。そこを理解すると、「金利と株価の関係」や「イールドカーブ」など債券市場の重要な概念もかなりわかってくるようになります。

前回、3カ月物国債や2年物国債の金利は今後のFRBの政策金利の予想でほぼ決まると説明しました(👇リンク)

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FRB入門 #2  利上げと国債金利

FRB入門 #2 利上げと国債金利

前回、中央銀行の「利上げ」は「銀行間の短期金利の引き上げ」と伝えました。一方、最近の報道では「米国債金利」「米長期金利」という言葉も報道でよく目にすると思います。今回のテーマは短期金利と長期金利の関係。少し複雑ですが、ここを理解すると景気や株価との関係も一気にわかりやすくなります。

国債金利と銀行間金利カードローンや住宅ローンに返済期日があるように国債も3カ月債や30年債など様々な種類があります

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