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Salesforce学習はなぜ難しいのか?

Salesforceの世界に足を踏み入れたかたは、ご存知だと思います。
学習に役立つ情報や学習ツールは多く(むしろ豊富すぎるぐらい)提供されており、Salesforceの知識や操作/設定スキル習得を妨げるものは、時間の確保以外にはありません。

一方で、Salesforce自体を学ぶためには多くの情報も、学習方法も揃っているのに実務に入ってみるとなんだかやりづらさを感じる人がほとんどでしょう。
本noteでは学習する上で立ちはだかる課題について考えます。

本noteは2024年4月30日発売の著書「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」の第2章についての事前解説記事を兼ねています。その他の解説記事は以下のマガジンにまとめてあります。
(マガジンURL)https://note.com/yonyon_saeki/m/m4a4283fe0c6f

改めて書籍構成

第一部 Salesforceを学ぶ
-第1章 Salesforceをとらえ直す
-第2章 Salesforce学習の課題←こちら
-第3章 Salesforceの学び方

(そもそも)第一部の狙い

第一部はSalesforceそのものの学び方について考えるものです。
詳しくはこちらのnoteにて狙いを記載しています。

第2章"Salesforce学習の課題"

以下の節で構成されています。

2-1 Salesforce学習はなぜ難しいのか
2-2 専門性“だけ”では仕事ができない
2-3 現代のIT職は下積みの難しい専門職
2-4 キャッチアップすべき3層のナレッジ

本章でお伝えしたかった主要な事柄

ひとことで言えば、"(利用する会社の)ビジネスにフォーカスした複合的な学習と成長を目指す必要がある"ということです。
言い換えれば、Salesforce自体の学習を中心としない、ということになります。

Salesforceシステムの課題は、Salesforceに精通すれば解決できますが、Salesforce自体はそもそもビジネス課題の解決のために導入されます。

この因果関係の認識がずれると、せっかく仕入れたSalesforce知識/スキルという多くの道具(製品、操作、機能、設定、実装方法など)は日の目をみず、評価もされないことばかりになります。
Salesforceをシステムとしてメンテナンスするだけでなく、Salesforceを活かすために行うべき業務とは何か?(会社の実務理解)、あるべき業務やシステム設計のためのビジネス基礎・IT基礎知識が必要です。

もちろん、Salesforce自体を学ぶことを楽しみ、資格やスキルをつけてキャリアを開くことは一個人・人生のモチベーションとして大変重要なことです。私も全力で応援・支援します。

一方、本書は"Salesforce管理の実務書"の立場をとっています。本書のスタンスとしてはあくまでもみなさんの実務遂行・成果創出にフォーカスをあてたいと思います。

そのため、Salesforceを中心に学ぶ、というスタイルを目指すことについては明確に課題提起をしています。


キーワード・図表紹介


Salesforceの学習の難しさ4点
以下の観点があります。

  1. 変化:そもそも Salesforce 製品と機能の裾野が広く、アップデートによる陳腐化も早い
    →具体の機能キャッチアップにとらわれすぎると追いきれない。

  2. 応用:Salesforce という専門性 “ だけ ” で仕事ができない
    →Salesforce管理者という職種や人材市場はまだ一般化されていない。Salesforceに精通しているからといって実務が可能にはならない。

  3. 時間:すぐに実務と成果が求められ下積み学習が難しい
    →本来はビジネス基礎やITシステムの基礎から理解するのが理想だが、それを出来る環境や状況はとても少ない。

  4. 複合:ビジネス/ IT 基礎、Salesforceツール、実務の 3 層スキルが求められ、レイヤーの異なる領域への越境が難しい
    →多くのSalesforce管理者の現実として、ある種の"何でも屋"スキルが求められる。


ユーザの課題・関心ごとが多様=管理者の仕事も多様
Salesforce導入の狙いや目的は経営層が持っているかもしれないが、実行はマネージャや現場の日々の活動がキーになるため、各者のニーズに対応する必要がある。


社外のプロの手や頭を借りることが出来ないケースが多い
導入者数の多くを占める中小企業中心に、自力で頑張ることが多い。
地道で着実な学習や成長プロセスを踏むのは現実的には厳しい。


先輩管理者達は会社のビジネスや業務への接点活動を重視
Salesforce機能や設定の知識やスキル、は実際には習得が必須。
一方で、ITプロジェクト経験のような汎用/抽象的スキルや、会社のビジネス理解力のような個別化能力は学習ハードルが高く、管理者の採用や育成上課題になりやすいと考えられる。


Salesforce学習の構造
ビジネス価値にフォーカスして、少ない時間で、3層を統合的に学び続けるような難しい構造になります。
そのため、本書の構成の通り以下のようなアプローチを推奨しています。
・Salesforce自体をざっと抑える
・Salesforceを通して会社のビジネス(実務)を捉える
・Salesforceに関連する周辺の知識を抑える

次回

次回は3章"Salesforceの学び方"について事前解説を記載していきます。

書籍情報

「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」
2024年4月30日発売(技術評論社)

https://amzn.asia/d/7XseCbS (2024年3月11日より予約受付開始済みです)

おすすめは紙書籍(編集の都合上、左右ページにまたがる図表があるため)ですが、Kindle版の予約購入も開始されました。購入時にご希望の媒体をお間違えないように注意くださいませ。

#Salesforce本
#Salesforceの青本

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