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「とこしえ」(切れはし小説Short Scrap)

「とこしえ」という言葉に、いくばくかの期待をのせて、私はまるで星空を見上げるよだかのように涙を流した。
 わかっている。
「とこしえ」が何の意味ももたない幻想で、むしろ私を不幸にするような魔法の言葉ということも。けれども、すがるものはそれしか残されていないのだ。
 きっと多くの人が、今の私の姿を見て笑うだろう。
 夢を見るように、ゆめをみている。無邪気で脳天気な人間だと。
 それに、いちいち反論をするつもりはない。けれど、ひとつだけ言わせてもらえるのならば
「今夜は星がとても美しい」
 それで充分じゃないか。

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