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Capture:5 虚無、その先へ。

マジミラも終わった8月の中旬。
世間的にはお盆と呼ばれるシーズンだが、
私は虚無の日々を過ごしていた。
マジミラの余韻を引きずっているのか、
用事がないことに絶望を感じているのか…
部活ももちろん休みな分、外に出る用事が
全くない。
ここまでの日々の疲れが溜まっているのか、
軽く熱中症になっていたのか、
マジミラ後の2日ほどは、
寝転がってスマホを見るだけの虚無が続いた。
台風が接近していたのもあって、
5日ほど引きこもって、課題を消化した。
そして迎えたお盆明け。
2日連続で部活があったうち、1日目は
午後から学校説明会、2日目は大阪市内へと
それぞれ出向くことに。
5日ほどの空白の先には、たくさんの予定。
嬉しいようで嬉しくないようで…複雑だ。
だが、2日目の大阪市内ではffの方とも
お会いでき、数時間程度ではあったが、
楽しく過ごすことが出来た。

思い出の地

そしてそれも楽しかったが、いちばんの成果は
ミャクミャク様とご対面出来たことだろうか。

私とミャクミャク様

念願が叶い、最高の気分だった。
そんな2日間が終わった後に待っていたのが、
「旅行」であった。といっても長距離ではなく
150km圏で完結する程度ではあったが、
泊まりで行くことになっていた。

大阪市内に出向いた次の日の朝。
車に揺られてやってきたのは、京都府は舞鶴。
日本海側の重要な港として古くから栄えた、
歴史ある街だ。
そんな街に来てどうするのかという話だが、
ここからは鉄道に乗り換えて移動する。

地方交通線運賃が適用されるため少し割高

少々お値段の張る片道きっぷ。
ここからは小浜線に乗り、嶺南の港湾都市
敦賀へと向かっていく。
比較的新しい、2両繋いだ単行電車に乗り、
若狭路を東へと進んでいく。
途中の小浜までの区間では、少しずつでは
あったが、雄大な若狭湾の景色を拝めた。
近畿地方周辺では希少なリアス海岸。
入り組んだ地形に沿って、電車は走る。
朝の時間帯ということもあり、
部活動などに向かうであろう学生の姿も
多く見られた。学生たちで車内がまるで
学校のような雰囲気に一変するのも、
またローカル線の特徴だ。
小浜から先の区間では、長閑な田園風景を
多く拝むことが出来た。
あと数ヶ月もしたら黄金色に染まるであろう
青々とした夏の自然の色。
大都市圏にはない、ゆったりした風景だ。

そんなことを思いながら約2時間。
電車は終点、福井県は敦賀に到着した。
JR西日本の定める「アーバンネットワーク」の
北端となっている駅であり、
来年春には北陸新幹線の終点駅、
そして経営分離によって誕生する、
「ハピラインふくい」との境界駅となる。
現在でこそ北陸特急が行き交うが、
来年の春からは、関西への乗り継ぎ拠点として
多く賑わうであろう駅だ。
ただ、かつて新幹線もなかった時代、
金沢・富山方面、さらにその先へと向かう
急行や寝台特急たちが行き交っていたことを
考えると、寂しくなっているのだなと感じた。
そんな敦賀の駅に降り立ち、そこからは
車で敦賀港の方へと行った。
久々に見る日本海。
気持ち普段より風が涼しい気がした。
そこで観光をしたあとは、
ソースカツ丼屋さんに寄ったりしながら、
次は南へと進んでいく。

やってきたのは滋賀県の湖北、木ノ本。
かつては米原からやってきたSLの終点だった。
そんな街にあるのが、サラダパンでおなじみの
つるやパンの本店だ。
北国街道に面した風情ある店構え。
ここでサラダパンを購入し、次はいよいよ
本日のお宿に向かう。

やってきたのは木ノ本から約1時間。
近江八幡市某所、琵琶湖の湖畔にあるお宿だ。
普段はなかなか泊まる機会が無いが、
今回は親戚も居るため特別。
ここでは夕食にも朝食にも近江牛がたくさん。
舌でとろける"ええお肉"の感覚は
本当に心地よかった。

宿泊した次の日は、朝から琵琶湖で泳ぎ、
行きたかった各地を巡ってから帰宅した。
良い気分転換になり、とても楽しかった。

だがこの旅行の終わりは、残酷な現実の訪れを
告げるポイントになってしまったのであった。

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