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Yononakaレポート㉒「情報リテラシー(SNS編)」

Yononaka「情報リテラシー(SNS編)」で、ライターの仕事を体験するワークを行いました。記事を読まれるには見出しが肝心。記者やライターの方は、魅力的な見出しを考えるのに日々努力されています。2つのグループに分かれ、「昔話の見出しを13文字以内で」という条件でワークを行い、1人1人の意見を共有しました。

どうでしょうか?続きが読みたくなる見出しですよね!
いつも子供たちの発想力には度肝抜かれていますが、今回は特におもしろかったです(笑) 2分程度の短い時間で、続きが気になる見出しを表現してくれました。
コピーライティングの有名な本「ザ・コピーライティング」にも「広告は見出しが命」と、数十ページにわたり見出しの大切さが強調されていますが、記事における見出しのように、短い言葉で内容を伝えるのはとても大切です。子供大人関係なく、自分の考えを端的に表現することはコミュニケーションにおいて重要なことでしょう。

また今回は「情報リテラシー」がテーマ。物語を短い見出しで表現するワークを通じて、記事や情報がどのように編集されて伝えられるのかを学びました。情報のすべてを文章や映像で表現するのは難しく、どのような点を強調するかは発信者の意図によって異なります。このワークで、情報を受け取る際にはその背景や編集の意図を考慮することの大切さを、参加者たちに伝えることができたと感じています。

参加者たちも「かんがえをたくさん持てた」「簡潔にまとめる力が必要なところが面白かった」「みんな個性的だった」「切り取る場面が違って、それぞれの見出しがとても面白かった」などの感想を寄せてくれました。次回は「あそび」をテーマに、発想力を引き出すワークを複数行う予定です。大人の方も、参加大歓迎です!ぜひ楽しんで参加いただければと思います!
日時:11/19(日) 10:30~12:00:「あそび」 申し込みはこちら

※オンラインで無料で参加できます。アクティブラーニング「Yononaka」の詳細はこちら

その他のワークについてのレポートです。今回の参加者は10名(小学生:4名、中学生:4名、大学生以上:2名)。2つのグループでワークに取り組みました。

ワーク①「炎上や誹謗中傷が起きるのはどうして?」

先日スクール生に、SNSについての質問をいくつかしたところ、「危険」や「怖い」という意見が多く出ました。この「なんとなくネガティブ」なイメージを探るため、まずは「炎上」や「誹謗中傷」に焦点をあてて考えてみました。
デジタル・クライシス白書2023によれば、1年間に1,570件もの炎上事件が発生しており、単純計算で毎日4回以上の頻度だそうです。このような「炎上や誹謗中傷が起きるのはどうしてか」1人1人に考えてもらい、今回はチャットに書き出す形で意見を共有しました。
デジタル・クライシス白書2023

※一部の意見を列挙します。
・人の考え方が違うから
・自分だけの世界に入りすぎている。目の前に聞いている人がみえないため、理性が働いていない。
・動画を作っている側に原因がある
・ほんまに悪いことしてたら注意はいるけどそこまで過剰反応せんくてもいいと思う。
・人を叩いて優越感にひたっているから

ワーク②「Aインターネットでの会話の特徴、B誹謗中傷をしてしまう人の特徴」

先ほど考えた「炎上や誹謗中傷が起きる理由」について、さらに一歩考えを深めるために、2つのグループに分かれそれぞれの問いを考えるワークを行いました。そして、その後再度「炎上や誹謗中傷が起きる理由」について考え、先ほどのワーク1からの意見の変遷を実感してもらいました。

ワーク③「炎上や誹謗中傷が起きるのはどうして?」

インターネットでの会話の特徴に関しては、感情の伝達方法や会話のスピード、言葉遣いの変化など、の意見が多くみられました。
誹謗中傷をしてしまう人の特徴では、自己中心的な性格や集団の影響、精神的なストレスなど、さまざまな要因が挙げられたように思います。
またちょっとしたおしゃべりタイムで「何で行くん?が行く理由を聞いているのか、行く手段を聞いているのかややこしい!」という意見があがり、一同納得の様子でした。非言語情報の大切さも感じられました。

ワーク②での深掘りと、他者の意見を傾聴し、時間をおいて考えたことで、意見が進化していく過程を、参加者自身も実感できたと思います。

このあとは中盤のまとめとして、スライドでいくつかのデータを共有しました。SNSの主な特徴として、①ネガティブな意見も受け取り手を気にせず発信し続けることが出来る、②リツイートいいねなどボタン一つで拡散出来て、閲覧数に応じて読まれやすくなる、という特徴によりネガティブな意見が多くなる印象を受けます。

しかし、実は「多く見える」という表現の方が近いということ。デジタル・クライシス白書2023によれば、誹謗中傷をしているユーザーのうち、90%の人は数回の投稿ですが、10%の極端な人によって多数の誹謗中傷が行われているとのデータが示されています。参加者からも驚きの声があがりました。

ワーク④「13文字内で見出しをつけよう」

※冒頭に記載したワークです。
「桃太郎」や「浦島太郎」は日本の伝統的な昔話として、多くの人々に親しまれていますが、参加者それぞれの見方捉え方で、見出しがこうも変わるのか!と自分にとっても発見になりました。また、物語の多面性や深さを再認識する機会にもなったと思います。

ワーク⑤「SNSによって何ができるようになるだろう」

最後のワークでは「SNSによって可能になること」を、自分にとって、あるいは社会全体にとって、互いに意見共有していきました。

SNSに対するネガティブな面、「危険」や「こわい」と感じるのは、大抵「詳しく知らない」からだと思っています。
誰もが自由に世界に向け発信できるプラットフォームであること、また年齢や職業、社会的地位に関係なくその機能を利用できること、そして日常生活では出会うことのない遠方の人々と簡単につながれるという特徴は、今の時代ならではの非常に価値あるものです。
今回の時間で参加者のSNSに対するイメージや、情報リテラシーについての理解がより豊かなものになっていれば、嬉しいです。

以下、参加者の感想です。
・誹謗中傷の事を考えて意見を言った所が印象に残りました。
・言い方やイントネーションなどによって受け取り手の違いが出てしまう部分が問題だと言っていたり、個性の豊かさ、価値観の違いからくる衝突と言っている人もいて、どちらも的を得ている回答だと思いました。
・今後も参加することで、視野を広く持ちたい。
・19歳になると考え方が固まってきてしまうので、若い子達の新鮮な意見や思考を受け取りたいと共に、それを日々の生活での「思考力」の足しにしたいと思っています。

小学生であっても「誰一人として同じ意見はない」と、Yononakaをはじめてからより感じるようになりました。顔や体が異なるように、物の見方や考え方も人それぞれ。各々の経験や感じ方が形作っています。
自分では経験できないことも、コミュニケーションによって疑似体験でき、それを自分の中で生きたように感じることができるとも思っています。他者の意見を聞いて自分の意見を更新することが、新たな世界を知るともいえます。この時間で学んだことが、必ず参加された方にとっての貴重な体験になっていくと自負しておりますし、今後も毎月続けていきたいと思っています。

次回のテーマは「あそび」についてです。いつものオンライン開催で、さまざまな視点から考えるワークをしていきます。
予習や事前知識は不要で、自然体でお気軽にご参加いただけると幸いです。
日時:11/19(日) 10:30~12:00:「あそび」 申し込みはこちら

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