身近なものから進化させる
Yononakaは、身近なものをテーマに、参加者同士で意見を共有し、自分の納得解を紡いでいく時間です。今回は「身近なものから学ぶ」ことについて、少し立ち止まって考えてみました。
最近、身近なものから「勉強になったなぁ」と思ったことはなんですか?
私は先日「rice」の単語一つで、日本語の「米」「飯」「稲」を表せるということを知りました。日本ではお米が重要な作物なため、多くの言葉で表現されていますが、英語圏ではそうではないようです。
一方で、英語には「馬」を表す多くの単語があります。「horse」「mare(メスウマ)」「pony(小型のウマ)」「stallion(オスウマ)」などです。言葉が文化に根ざしていることを感じ、勉強になりました。
翻訳された日本語にしても、必ずしも正確に変換されてはいないですし、そういうところから各国の文化が垣間見える瞬間があります。そういった身近なものから学ぶことについて、東京大学客員教授の白水始氏が著者「対話力」にて図式化されていたのが興味深く、共有いたします。
私たちは日々、何気なく「もしかしてこうかな?」「あれってなぜだろう?」と予測しながら生活しています。そして、経験を積んで予測を確かめていくことで、小さい子供であっても自分なりの経験則を作ります。たとえば生活していると「地球は平ら」だと感じます。これは、図の一番下にあるレベル1の理解です。
しかし、学校で学ぶことは、もっと抽象的で、私たちの日常生活からは少し離れた原理原則や科学的な概念に基づいています。日常生活では地球が平たく見えても、先生は「地球は丸い」と教えます。これは科学的に正しいとされていますが、自分の直接の経験とは異なるため、感覚的にはなかなか納得がいかないですよね。
著者はこうした状況で「対話」の大切さを主張されています。自分で考えたり、他者と話したりすることを通じて、自分の経験則(レベル1)から、より高度な理解(レベル3)へと知識を進化させることができます。「なぜ?」「どうして?」のような疑問を持ち、他者との対話、あるいは物事に問いかけることで、その知識を自分のものにしていくのです。日常にある身近なものから学ぶことで、自分ごととして学びを深められるのです。
身近なものから理解を深めることを意識していくと、教科書ではなく、よのなか全体が教材になります。そのよのなか全体を教材化して学ぶのがYononakaであり、今まで「時間」「エネルギー」「集中」といった年齢立場関係なく生活に身近なものをテーマに、参加者同士の対話を重ねてきました。経験則から学びを深めることで、自分ごととして学ぶことができると考えています。
何気ない日常会話、いわゆる「おしゃべり」にも学びの機会がたくさんあるともいえるでしょう。職場の同僚や友人との軽い雑談は、ただの気分転換と思われがちですが、そんな会話の中にも新しい知識を得たり、気づきを得ることができるかもしれません。
ちなみに「おしゃべり」を意味する言葉は「雑談」「世間話」「談笑」などですが、英語だと"chat," "chatter," "talk," "gossip," "babble," "jabber," "prattle," "natter," など。カジュアルな会話を楽しむ雰囲気がある英語圏の方が、表現する言葉も豊かなのかな、と思いました。他にこんな単語がある!と思われた方はぜひコメントしてください!
今回は「身近なものから学ぶ」というテーマで1人Yononakaしました。感想やフィードバックをいただけますと幸いです。ぜひ、みなさんのなかで身近なものから学んだ経験などをお聞かせいただけますと嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。
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