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あおり運転を受ける→撃退→出頭→取り調べからの改ざんや事実誤認のまとめ

※先に言っときます。長いですが、敢えて1ページにまとめました。
※「改ざん」項目を追記しました。目次からどうぞ。

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■ことの始まり


2022年12月21日の早朝7時ごろ、群馬県内の陸橋を自分の軽トラックで走行中に、今回の被害者ということになっている相手の人と交通トラブルになりました。

状況を説明すると、相手の人の車の後ろを私の軽トラが走っている状態から、高架の下り坂に差し掛かったところで、相手の車が急にノロノロ運転を始めました。

後からドライブレコーダーの映像を確認したら、下り坂の途中から相手の車のエンジン音がうなるような音に変わっていたので、エンジンブレーキをかけたと思われます。

100メートル先くらいの信号が赤だったので、私は、その手前のT字路を右折しようと思って右ウインカーを出して下り坂から平坦になる道に差し掛かりました。

坂道の終わりだから、こちらは勢いがついているんで、前の車との車間距離が詰まって、ピッタリと赤い車の後ろにくっつく形になってしまいました。

ほとんど止まってしまいそうな遅さのまま何メートルか進んで、もうすぐ目的のT字路に差し掛かろうとした時、相手の車が急ブレーキをかけました。

私は、危ないと思ったので、クラクションを鳴らしてT字路を右折しました。

まあ、抗議の意味を込めて「プップップップッ」と4回も鳴らしてしまったので、それが相手の神経を逆撫でしたんだと思います。

右折した道をほんの何秒か走った時、「あれっ!?」と思いました。
バックミラーに、まっすぐ行ってしまったと思っていた相手の車が映っていて、物凄いスピードで自分の軽トラを追い上げてくるのが見えました。



とんでもない勢いで突っ込んでくるので、「ぶつけられる!!」と咄嗟に思って、身の危険を感じました。

あっという間に背後にピッタリ幅寄せされたんで、このままでは、追いかけっこになるだけだと、自分の軽トラでは逃げきれないと思ってすぐに停車しました。

やばい、やばい!!
どうする、どうする!!!

軽いパニック状態で、「テレビやSNSの投稿でよく見るような状況になってしまった!」と思いました。

最初は、車に何かされちゃうんじゃないかと思いました。
あおり運転のドライバーが降りてきて、窓をドンドン叩いたり、ドアノブをガチャガチャやるような、車をガンガン蹴られるみたいな。

ドアミラー越しに様子を伺うと、相手が車を降りたので自分も降りました。
中古だけど、私にとっては3か月前に買ったばかりの新車だったんで、守らなきゃと思ったんです。


今思えば、降りないで警察に通報するべきでした。 

 車から出たら、相手が「なんとかかんとかー!」って、えらい剣幕で叫んでて、手を振り上げながらこっちに歩いてくるんで、それを見て私は、「あ、殴りに来る」と思いました。

で、「なんとかかんとかー!」って、なんて言ってるかわからなかったので「あ?」って言い返しました。
この「あ?」って言うのは、群馬弁です。
標準語で「え?」くらいのニュアンスだと思ってください。

相手は、昔の仁侠映画みたいに肩で風切るような歩き方で近づいてきてて、こっちは商売道具の軽トラを傷つけられたら敵わないので、体を張って止めなきゃと思い、反射的にこちらも相手に向かって歩き出していました。

で、「あ?」って言ったら、「なんだー?」って返されたんです。
意味が分かりませんでした。
相手が何言ってるかわからなかったから「あ?」って聞き返したのに「なんだー」って言われて、また「あぁ?」って言ったら「なんだー」って言われて、疑問を投げかけてるのに疑問形で返されて、話が通じなかったんです。
自分で追いかけてきて「なんだー?」はおかしいだろうと。
会話が成立してませんでした。

「なんだー」
「あぁ?」
「なんだー」
「あぁ?」

とか言い合いながら、お互いの距離が近づいて、心の中では、

やばい、やばい、やばい、やばい、くるのか!?くるのか!?くるのか!?

ってなってて、互いの距離が、もう手が届きそうな至近距離になった時、相手が急にピタッと動きを止め

「×すぞ、この野郎!」

と、怒鳴りました。

次の瞬間、体が自動的に動いてました。
私は、右手で相手の左顎を横殴りに殴りました。

相手は立ったまま意識を失ったようで、右斜め後ろの田んぼの畦(あぜ)の上に倒れました。

■出頭


相手の人を殴り倒した後も、私の頭の中は「やばい、やばい、やばい、やばい」という思いでいっぱいでした。
思わず殴り倒してしまったが、すぐに起き上がってまた襲ってくるかもしれないと考え、即座に軽トラに飛び乗ってその場を離れました。

その後、この現場から2〜3分のところにある私の畑に行き、いつものように農作業に取り掛かろうとしましたが仕事にならず、なんとなく畑をウロウロしながら、さっきの出来事を思い返そうとしました。

しかし、思い返そうとしたけど、頭が真っ白になっていて具体的なことがほとんど思い出せなくなっていました。

「相手が迫ってきたんだ」ということはわかる。
だから殴った。

この「殴った」と言う部分ばかりが自分の中で大きくクローズアップされてしまって、「人を殴ってしまった」「人を殴ってしまった」ということだけが、頭の中で何度も何度も繰り返されていました。
「人を殴るのは良くないこと」
だから、警察に行って話をしなければと思いました。

その後、自分で車を運転して警察署に出頭しました。

自首調書を作成してもらい、本格的な取り調べが始まると「相手の人は思ってるより重傷かもしれない」と聞かされました。

しばらく取り調べが続いた後、傷病名がいくつも並べられた書類を見せられました。
頭蓋骨骨折や、脳挫傷、くも膜下出血など、7、8項目並んでいて、「こんな大怪我を負わせてしまっていたとは!」といたたまれない気持ちになりました。

刑事さんに「相手の人は、命が危ないかもしれないです。予断を許さない状況です」と告げられました。

その後、「相手が重体なので、あなたを逮捕します」と言われ、手錠をかけられ、強いショックを受けました。

私は傷害事件の被疑者として22日間身体拘束されることになります。


■取り調べ


取り調べは複数日に跨り、警察署と検察庁で計7回ほど行われましたが、今にして思えば、相当誘導的な進め方をされていたなと感じます。

担当刑事が質問する時に、斜めに顔を向けたまま、眼光鋭く心の中を覗き込むように目を見開いて聞いてくるんです。

例えば、相手に向かって行った理由を聞かれた時に「相手を車に近づけたくなかった」と言っても、「いや、そうじゃないはずだ」という言い方をされて、刑事さんが納得するまでその目をやめてくれないので、何度も答えを変えさせられました。

私が「怒ってたからだと思います」というと、「そうです」と、ようやくうなずいてくれる、と、何回かそういうやりとりがありました。
あおり運転をされて少なからず怒りの気持ちはあったかとは思うけど、それ以上に恐怖心や緊張感の方が勝っていたと思うのだが、いわゆる「犯行動機」にあたるものが必要だったんだと、またも後になってから気づきました。

「そうじゃないはずだ」とか、「そうです」とか刑事が決めることじゃないのに、当時の私は「もしかしたら、人を殺してしまったかもしれない」と思い込んでいたので、「逆らってはいけない」というバイアスがかかっていたんだと思います。

また、取り調べにかける時間も長く、初日の事情聴取の時点で朝9時くらいから夕方までやってましたが、その間、昼食に当たるものは食べさせてもらえませんでした。
正確な時間はわかりませんが、窓の外が真っ暗になっていたので、夜になってからようやく小さなコンビニ弁当を貰えました。

「これがドラマで見たような刑事の締め上げというやつか」と思いました。

後で調べてわかりましたが、6時間以上も食事を与えずに取り調べを行うのは違法のようですね。

このことも「逆らったらまた食事を与えてもらえないかもしれない。また延々と取り調べが終わらないかもしれない」というバイアスがかかる原因だったと思います。

ともかく、私はどんどん「殴った相手に瀕死の重傷を負わせた凶悪犯」という方向に導かれていきました。

■証拠映像


7回あった取り調べの中で、証拠品のドライブレコーダー映像を見ながら行ったものが2回ありました。

1目は、拘留されて5日目の

12月25日

です。

まず、私の軽トラのドラレコ映像を見て、相手が急ブレーキを踏んでブレーキランプが点灯する様子などを確認した後、相手の車のドラレコ映像を見ました。


驚いたのは、相手の人の怒鳴り声でした。
相手が急ブレーキを踏んで、私がクラクションを鳴らした直後

「なんだ!この野郎!!」

と怒鳴りながら急ハンドルを切って交差点を曲がり、私の車を追跡する様子が記録されていました。
続いて、急加速しながら

「止まれコラ!」

「降りてこいコラ!」

などと叫びながら私の車に向かって猛突進し、私の軽トラが止まろうかどうか逡巡していると

「オラァ!」

「動くんじゃねぇ!降りろこの野郎!!」

と続けました。

私の車が停車すると、「パコッ」と車のドアが開く音が聞こえ、

「○$×■△€☆〜〜〜!!!」

何を言っているか聞き取れない怒鳴り声を上げながら相手が車を降りたのがわかりました。

「すごいですね」と言うと、担当刑事は「そうですね。ま、それはともかく…」と、相手の怒鳴り声より私が車を降りてから相手を殴り倒すまでの話ばかり聞かれ、その後も映像を止め止め何度も見せられ、質問されを繰り返しました。

この取り調べの後、私の父親が留置場に面会に来たので「やっぱり相手はヤバい人だった」と話すと、「相手の人は命が危ないかもしれないんだ。悪く言うんじゃない」と諭されました。

思えば、この時にもっと危機を伝えておくべきでした。



2度目に映像を見せられたのは、年が明けて2023年の

1月5日

です。

この日、いきなりおかしなことが起こります。
見せられた映像に音がありませんでした。
頭から最後まで完全に無音なのです。

私がクラクションを鳴らした後、相手の車両が右折西進した時に、担当刑事が「この時、被害者の方はどういう気持ちだったと思いますか?」と質問をしてきたので、「なんだこのやろうと言っていたので、なんだこのやろうという気持ちだったと思います」と答えました。

すると、担当刑事が、慌てたように「あ、そうでしたね」と答えたので、音声が消されていることに違和感を覚えました。

その後、なぜか取り調べの間じゅうノートパソコンの画面を向けられて、自動リピートで無音の映像を何十回も見せられ続けました。

「これは、映像に音が無いことを刷り込もうとしているんじゃ…。前回、音のある映像を見せたことを無かったことにしようとしてないか?」と思いました。

同日、この取り調べの直後に検察庁に移送され、担当検事による最後の取り調べがありました。

改めて、映像を見たことを踏まえて車を降りてから相手を殴り倒すまでの詳細を聞かれた際、急に検事の態度が変わり、
「相手は話し合いをしようとしてたのに、一方的にスタスタ歩いて殴りに行って!」と理解不能な叱責を受けました。

話し合い?
一方的?

あおり運転をされた上に、相手が怒鳴りながら向かってきたことは検事にも何度も話してある。
この時は全く意味がわからなかったが、この時点ですでに証拠映像を改ざんすることが決まっていた、もしくはすでに編集が始まっていたんだと思います。
だから、事前の取り調べでは繋ぎの意味で無音の映像を見せられたと考えると辻褄が合う。

なにせ、私の方も相手に向かって歩いて行ってしまったので、相手の怒鳴り声を削除してしまえば私が「一方的に殴りに歩いて行った」ように見えてしまう。


改ざん


私は、2023年の1月11日に保釈されましたが、その後、担当弁護士の事務所に届いた証拠映像を見て愕然としました。
拘留中に見せられた映像とまるで違ったからです。

改ざんは映像の音声にのみ施されています。

相手の人が車内で言い放った「なんだ!この野郎!!」や「降りてこいコラ!」などの声が消され、車を降りてからの「なんだー」「あぁ?」などの言い合いも消されていました。

ポイントは、相手の姿が一度もドラレコ映像に映り込んでいないことです。
先述のように、相手の怒鳴り声を消してしまえば、「相手は一歩も動かずおとなしくしていた」というふうに見え、実際にそういう判決が下されてしまいました。

証拠映像は私の手元にないのでもどかしいんですが、検証のための再現動画をX(ツイッター)にアップしたので参照して頂きたいです。

再現動画"ドアが閉まっていたVer."  https://twitter.com/Yonofuseiabaku/status/1777660033511129246

検証動画では、音声抽出ソフトによるカーラジオの音声と人の声の分離の実証実験を行い、「ピンポイントで人の声だけを消去するのは可能」ということを証明しています。

これは、高等裁判所で行われた第二審で高等検察官から「複数の音源の中から特定の音だけを消去するなんて、技術的にできるかどうか」という意見が出て、あろうことか、その意見が採用されてしまったからです。

映像内の特定の音(怒鳴り声)のみを消去することはAIでスマートフォンでもできる簡単な技術だということは、もはや一般常識レベルの話である。

スマートフォン「Google Pixel」の音消しマジック(邪魔な滝の流れる音を消して人の会話のみを残す編集を簡単に行なっている、タレントのフワちゃん出演CMが盛んに流れている)等の音声抽出ソフトで子供でもできるほど簡単。
私が映像制作の仕事をしていた10年以上前から存在している技術で、最新のものでもなんでもないということを裁判所に理解してもらうためにこの動画を作りました。


映像が改ざんされていることの証明


証拠品として提出されている映像内で、私の声も相手の声も録音されていないのは、あたかも「車外の音声は録音されない」という設定にされているためだが、それに対し、この後の様子を記録した映像では、救急車が遠くから近づいてくるサイレン音、または駆けつけた救急隊員の話し声等は問題なく聞き取れるという矛盾が生じている。

私が映像の画角から外れている間に「ヤロー!」という怒鳴り声が録音されているが、これは相手の発した「殺すぞ、このヤロー」の一部です。

改ざん編集を行なった人物は後述の音声抽出ソフトを使ったが、相手の声が終始流れているラジオパーソナリティーの声と分離しきれなかったため「ヤロー!」の部分だけが残ったものと思われます。

とりわけ救急隊員たちがいた場所は、当然、相手が倒れていた車の真横の位置にあたる。
普通のトーンで会話している救急隊員2人の声は、しっかりと録音されているのに、相手の声は怒鳴り声なのに小さい音量で入っている。
これは、相手が車の真横にはいなかったことを示していると同時に音声の完全分離に至らなかった証拠であると言えます。

また、高等裁判所で開かれた第二審で認定された「相手が車を降りた直後に車のドアを閉めた」という場面で、本来生じるはずの車体(ドラレコ)の揺れが生じていない点に関しては、「ドアを閉める音」というサウンドエフェクトが追加されている。通報者や救急隊員が閉めた時には揺れが生じている矛盾が起きている。
こちらも、検証動画内でドアを閉めた瞬間に車体が揺れることを確認できます。

再現動画"ドアが閉まっていたVer."  https://twitter.com/Yonofuseiabaku/status/1777660033511129246

再現動画"ドアが開いていたVer."
https://twitter.com/Yonofuseiabaku/status/1777714612005446136

しかし、車のドアが開きっぱなしだったことは裁判前に検察が認めていることであり、「ドアが閉まれば車体が揺れるはず」という検察の意見とも矛盾しているため、改ざんが行われた証拠と言えます。仮に車のドアが閉じた状態だったと仮定しても、同じ当該動画の中で私が鳴らしたクラクション音はしっかりと録音されている。走行中だったため、車のドアが閉じた状態だったことは必然であるにも関わらず、より至近距離にいた相手の怒声が極小の音量でしか記録されないことは不自然極まりないことになります。

実際、私の記憶では当時相手の人の車の運転席のドアは開きっぱなしでした。
この話は、この後に記述する「殴った行為と相手の負った怪我の因果関係の矛盾」に繋がります。

そして、2024年3月、この最終局面において、決定的な証拠が出ました!

いままでは聞き取れなかったのですが、音量を拡大してイヤホンで聴くと、私の主張してきた通りの「なんだー?」「なんだー?」「なんだー?」という相手の声が聞き取れることに気づきました。

怒鳴り声なのに極小の音量でしか聞き取れないのは、意図的に怒声を隠すための編集が加えられたということであると言えます。

これにより、改ざんが行われたことが確定的となりました。

■相手の怪我との因果関係の矛盾


これは、私の傷害被告事件裁判における最重要ポイントで、私が起訴されるに至った原因でもあります。

懲役3年執行猶予5年。

それが私に下された判決ですが、執行猶予は5年までが限度で懲役3年までしか執行猶予はつけられない決まりなので、これ以上量刑が重かったら懲役=刑務所行きになっていたギリギリの判決でした。
「相手に大怪我を負わせたくせに反省の色がない」というのが理由でこういった判断になったわけです。

ここで、審理不尽=いい加減な判決であると言いたい根拠として沸き上がるのが、

「そもそも、相手の大怪我は私が負わせたものなのか?」

という疑問です。

この謎は、最初に相手の傷病名がいくつも並べられた書類を見せられた時から私の頭の中に浮かび上がっていました。

怪我の箇所の矛盾


まず、一発殴った行為に対して怪我が重すぎる点。
そして、頭蓋骨骨折や、脳挫傷、くも膜下出血などと並んで「肺挫傷」という文言が記載されていた点です。

私が殴り倒した時の記憶では、相手は斜め後ろに倒れたはず。
とてもあれで肺が傷付くとは思えない。
拘留中から疑問に思っていたので、担当検事にも「もしかしたら、相手の人は私が殴り倒した後に車にでも轢かれたんじゃないでしょうか」と尋ねたが、「殴られて背中を打てば肺が傷付くこともあるんじゃない」という回答でした。

事件後2週間経過くらいの時点で、警察が相手の奥さん聞き取りを行った書類の中に、担当医の話として相手本人が「転んでしまったから、頭に怪我をしたのではないか」と話し、当時の記憶を思い出せない状況である、という記載がありました。

相手の人が本当に記憶を失っているかは確認しようがありませんが、本人が自分で転んだと言っているという事実は無視できないことだと思います。

そして、決定的な矛盾に気がついたのは、保釈された後、裁判前の2月に検察が出してきた聴取記録を読んだ時です。

捜査報告書に、「殴られたのは右目付近で、左後ろに倒れて左後頭部を強打したと考える」と、相手の人の主治医からの聴取内容が記載されていました。

私は目なんて殴っていません。
前述の通り、私は右手で相手の左顎を殴ったんです。

左顎を殴ったから、相手は反対の右斜め後ろ方向の田んぼの畔に倒れました。
右に倒れてるので、左の後頭部を打つわけがないし、硬いアスファルトじゃなくて、土というか、枯れ草の上に倒れているわけです。

畔に関しては、当日に実況見分をやっています。
刑事2人の立ち合いのもと、警察署の道場で「右手で相手の左顎を殴って、相手は右後ろの畔に倒れた」という様子を、写真まで撮って細かく再現しています。

写真を見てもらえれば分かるんですが(無理ですね)、広い畳のスペースがたくさん空いているのに、わざわざ、畳と板の間の中途半端なところでやっているのは、板の間が仮想・田んぼの畦で、畳が道路というイメージでやってるからです。

また、警察に、当時付けていた手袋を提出しているので、右手で殴ったこと、あるいは目を殴ったのであれば、涙とか目ヤニとか、角膜だか結膜の成分とかが検出されるんじゃないかと思いますが、そんな話は一切出てきていないです。


倒れていた場所の矛盾


さらに、警察・検察の捜査には致命的な落ち度がありました。
現場の見取り図が間違って描かれていたことです。

私は、記憶が曖昧になっていたところに、その間違った見取り図を元に「アスファルトの上に殴り倒したんだ」と説得されました。

具体的に何が間違っていたかというと、実際には相手の車のドアは開きっぱなしだったのに、現場見取り図に反映されていなかったということです。
運転席のドアが開いていた場合と閉まっていた場合では、状況が全く異なります。

まず、ドアが開いていた場合、運転席を降りた後の相手の立ち位置が変わります。
車のドアはせいぜい60度くらいまでしか開かないため、車を降りるときは自動的に斜め後ろに降りることになります。
これが、車を降りて即ドアを閉める場合なら、「バタン」と力を込めるためほとんど運転席の真横に立って行います。

しかし、あおり運転をした後、怒りに任せて車を飛び出したとしたら?

車をお持ちの方は実際にやってみて頂きたいのですが、右ハンドルの車なら運転席のドアを開けて、まず右足を外に出し、その後せまい空間で左足を踏みます。
これを急いでやると、ほぼ確実に足がもつれて転ばないように前屈みになりながら後ろ方向に小走りすることになります。

私は、あおり運転を受け自分の車を停車させた後、車を降りる前に少しだけドアを開けて、コソっと様子を伺ってみたんです。すると

「あれ?」

いない。
運転席のドアが開いているのに相手の姿が見えなかったんです。

と、思った次の瞬間、開けっぱなしのドアの影から、相手が現れて仁王立ちのように胸を張って立っていました。
手品のように、突如「登場」したようでした。

それも、想定よりかなり遠い7〜8メートルはあるかという位置で、先に降車したはずの相手が、すでにこちらの車のそばに寄ってきていておかしくない数秒の時間経過があるはずなのに、逆に離れたあちらの車の後輪の方の位置にいたんです。

このときは、なぜそうなったかはわからなかったけど、先に書いたように足がもつれて後ろに走ったのなら遠い位置に突然現れたことに対して辻褄が合う。

ここで重要なのは、裁判では「相手は運転席の側からほとんど動いていない」と決めつけられたけど、相手の姿がドラレコに一度も映らないのは、実際は一旦遠い位置まで離れてから向かってきたんだということ。

さらにドアが開いていた場合、遮蔽物になるので相手が倒れていたとされる運転席の真横の位置に向かうにはドアを回り込まなければ不可能ということです。

「運転席側の車の最先端から0.8mの地点を私が通過した」として、見取り図に印が書いてあるんですが、軽トラから降りてその地点を通過するとドアに行き当たります。
ドアの向こう側に倒れていたとされる相手を殴り倒すには、その位置からドアを回り込む動きをしなければなりません。
意味不明です。

さらにさらに、前述の通り私が相手に向かって歩いてドラレコの画角から一旦消えますが、その経過時間はわずか2〜3秒間。
私が消えてから1.5秒経過後くらいにこれも前述の通り「ヤロー!」という怒鳴り声が録音されています。
3秒間消えている間の1.5秒。
残りも1.5秒です。
その時間内に相手を殴り倒して、再びドアを回り込んで戻ってくるんですか?
不可能でしょ。

他に倒れていた場所の矛盾として映像状で確認出来ることは、私が一旦消えたあと、またドラレコの画角に戻ってきた際、後ろを振り返って相手の様子を確認しているんですが、顔の角度から明らかに右下を見ているんです。
これは、前述の田んぼの畦にあたる位置です。

相手が倒れていたとされる運転席の真横の位置を見るには、左後ろを振り返るのが自然です。
もしくは右に振り返ったなら、ぐるりと車の方に顔が向かないとおかしい。
そんなことは一切ありませんでした。

そして、またも2024年3月、私が相手を殴り倒して軽トラで走り去る30秒〜後くらいの映像の音量を拡大すると「ゴン」というような音が聞こえ、さらに10秒経過したくらいで何かを引きずるような音が聞こえることに気づきました。

これは、相手が自己転倒した可能性を示すとともに、一審の検察官が作成した救急隊員への聴取記録に「相手が倒れた後、寝返りで移動した」という可能性を示唆する証言が含まれてたので、自分で転んだ後、体を引きずって動いたとしても不思議はないという話になります。

やはり、注意深く証拠品を精査すれば真実が見えてきます。
同時に、いかにいい加減な捜査と審理が行われていたかが浮き彫りになったと言えます。


■解離性障害およびPTSD


22日間の拘留を終えると同時に、私には保釈の条件として「自動車の運転をしないこと」という枷が与えられました。
これは、自動車運転中にトラブルを起こしたからということで、反省の意味を含めて弁護士が裁判所に提案したものでした。

実際には、運転トラブルを起こしたのは相手のあおり運転犯であって、私は巻き込まれただけに過ぎないのですが、弁護士はおろか、私自身が事実誤認をしていたため、裁判所への説得材料として提示したものということでした。

しかし、自分で運転しなかろうが、妻や父親の運転する車の助手席に乗っている時に、後ろから車間距離を詰めてくる車がドアミラー越しに見えただけで、思わず「ウワッ」と声が出たり、半年以上たっても、あおり運転をされた時のことを思い出すと、首筋にゾワゾワとした感覚が走るなどトラウマになっていることに関して、妻から

「それは、何かの症状なんじゃない」

と指摘されたので、2023年の7月になってから精神科を受診しました。

あおり運転を受けて、その後保釈されてからも背後から車が近づいてくるだけで心臓がバクバクすることなどを精神科医に話したところ、解離性障害および心的外傷後ストレス障害と診断されました。
いわゆるPTSDです。

事件直後に頭が真っ白になってしまったことや、未だにハッキリと思い出せない部分があること等も、ストレス障害を起因とした記憶障害の症状かもしれないという話でした。

精神科のお医者さんの言葉を借りれば、「脳が嫌な記憶を弾く」そうで、人間、極度の緊張やストレスにさらされると、一時的・部分的に記憶が飛ぶことは有り得るということでした。

災害や事故、そして事件に巻き込まれた人などが、命の危険を感じた恐怖から、記憶障害を発症することもあるということです。
まさに、私は、あおり運転という事件に巻き込まれ、身の危険を感じたため、記憶障害になっていたのだと思われます。

これにより、警察に出頭する前に頭が真っ白になって「人を殴ってしまった」ということ以外考えられなくなってしまったことや、拘留中に、「一方的に相手を硬いアスファルト上に殴り倒したんだ」という説得をすんなり受け入れてしまったこと、それから目の前で怒鳴られた「×すぞ、この野郎!」という言葉をすっかり忘れてしまっていて、正当防衛の可能性に気づかずにいたいたことなどの説明が付きます。

公式には、相手のあおり運転犯の方が記憶喪失ということになっていますが、時系列的に私の方が先に記憶障害を発症していたはずです。
私は事件当日の12月21日にすでに記憶障害に陥っており、供述内容にそれを伺わせる記憶の混同の形跡が残っているため、事情聴取を行った担当刑事は気づいていたはずです。

意識を取り戻した後、相手本人が「転んでしまったから、頭に怪我をしたのではないか」と話していたことは、真実本当のことで完全に記憶を失っていたかは確かめようがないため、神のみぞ知るような状況です。

相手が意識を取り戻したのは翌日の22日になってからなので、私の記憶が曖昧なのであれば、相手も記憶喪失で片付けてしまい、さらにドラレコ映像も改ざんしてしまえば真実は闇の中。

こう考えると、全ての辻褄が合ってしまいます。

ちなみに、今この記事を書いているときも首筋がゾワゾワしていますし、あおり運転のように背後に車が近づくと動悸がするのもいまだに治っていません。
2024年4月現在も通院を続けています。


■正当防衛


当時の私のとった撃退行為は果たして適切だったのか?

未だに自分自身わからない部分もあり、自問自答します。

裁判では、一審・二審とも、「怒鳴りながら向かってきたあおり運転犯から身を守ったまでだ」と正当防衛を主張しました。

もちろん、人を殴ってはいけないということはわかっていますし、そう思ったからこそ記憶が曖昧になりながらも警察に出頭したわけです。

ただ、あおり運転犯でなくとも、今しがた犯行を終えた現行犯あるいは準現行犯が怒鳴りながら自分に向けて歩いてきたら、その時点でピンチだろうと思うわけです。

これが、例えば有名な痛ましい放火事件の犯人に置き換えて考えてみてください。
ついさっき男がガソリンを撒いて火を放ったのを目撃したとして、その男が自分に向かって怒声をあげながら向かってきたら?

いや、放火犯でなくてもいい、もっと軽微な万引き犯程度だとしても、目の前で犯罪行為をおこなった人物が明らかに自分を標的に向かってきたら、それはもう「襲われる」と判断しておかしくないんじゃないかと思います。

今回のケースでは、私の方も相手に向かって歩いて行ってしまったため、音声を消去されると私の方が「一方的に殴りに行った」と判断されてしまったわけです。

しかし、相手に歩いて近づくこと自体が罪に問われることはないはずです。

少し前に、貴金属店員が強盗を撃退する映像がニュース報道などで流されました。
その店員はサスマタを地面に叩きつけたりしながら、犯人たちを追い回していましたが、威勢を示して犯人を怯ませるという意味で相手に向かっていくことは問題になりません。
むしろ、英雄視された行動でした。

では逆に。
仮にあの映像に「凶器を振り回して若者を追い回す大男」という見出しが付けられたとしたらどうでしょう?
事前の「強盗が押し入ってガラスケースを割った」という情報を無視してしまえば、そういう解釈もできてしまうということです。

担当弁護士によると、今回のようなあおり運転事件の場合、あおり運転の事実と車を降りてからの行動は切り離して考えられてしまうという話で、単純に私が「相手を殴った」という部分だけ切り取られ、実際にそういう判決が下されたわけです。

やはり、おかしいと思います。
自動車という鉄の塊で突っ込んでこられて命の危険を感じた直後に、それを操っていた人物の侵攻を阻止したら有罪ってそりゃないぜ、って話です。

さらに言えば、そういう命の危険を感じて、極度の緊張状態にあったなか、「×すぞ」という言葉を浴びせられて、「本当に×される」と、強いショックを受けた結果、先に書いたように記憶障害をひき起こしたんだと思います。

だからこそ、身を守る必要があったし、だからこそ、記憶障害をひき起こした。

この2つはイコールなんです。

身の危険を感じたから防衛行動を取る必要があったし、身の危険を感じたから記憶障害になった、つまり正当防衛が成立するという理屈です。

この点、2024年3月時点で、証拠映像から消されたと思っていた相手方の怒鳴り声が極小の音量ながら聞き取れるということに気づいたため、前提が変わりました。

「あおり運転」と「降車した後」を切り離して考えたとしても、車を降りてからも相手が攻撃的だったことを証明できるので、一審・二審の「相手はもの静かにその場に立っていた」という判断を崩せることになります。

いや、それどころか「改ざん」の項でも書きましたが、車のすぐ脇で怒鳴っていた人間の声が極小でしか録音されていないわけがないんです。

つまり、改ざん=違法行為ということです。

違法に収集された証拠品はその証拠能力が否定されます。
証拠能力が否定されれば、犯罪事実を証明するものがなくなるため、無罪にならないとおかしいということになります。

(そもそも「犯罪」は犯していないので、犯罪事実そのものが捏造されたと言い換える方が正しいのかもしれません。極めて稀な例です)


以上、状況証拠からの事実誤認やら審理不尽やらのまとめとなりますが、実際の裁判の流れだったり、その中での検察の無茶苦茶な主張や裁判所の雑な判断などあれこれ言いたいことはまだまだあります。

それらも、まとめて後ほど発表したいと思います。
しばらくお待ちください。

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